奥州街道は日本橋を出発して函館宿までとなりますが、そのうち宇都宮宿(栃木県宇都宮市)までは日光街道と重なります。一般的には白川宿から仙台宿(宮城県)までの仙台道、仙台宿から函館宿(北海道)までの松前道も含めて奥州街道と呼ばれることもあったようです。私の今回の奥州街道歩きは日本橋から青森宿までとして奥州街道を歩きました。
平成23年3月11日に発生した東日本大震災で東北はひどい被害を受けました。何か少しでも役に立てることはないかとの思いで半年後に福島の区間だけ先に歩き始めました。宿泊したり食事、買い物をすることでお金のこともそうですが、地元の方が働く場を提供できるのではないかと考えたからです。迷惑なのではないかとの心配もありましたが福島の状況を目で見て、話を聞いて学級で生徒に話すこともできました。
後日、福島をはじめ東北には10回ほど旅行しています。行くたびに町は復興し、みなさんの顔も明るくなってきているように思いますが、福島県の原発避難地域は現在も時が止まったようで心が痛みます。
平成24年1月にあらためて日本橋から出発した奥州街道の歩きは、東京から少しずつ離れていく心細さのようなものも感じました。昔であったらその心細さはひとしおであったろうと思いました。
また冬の歩きはどうなるのだろうとの不安もありました。道は現代の道と重なってしまったところも多く、東海道のような古い面影が残っているところも少なかったようです。でも東北の町や山、川、自然の姿に心引かれることも多かった気がします。とても気に入った街道歩きでした。
H23(2011).8~H27(2015).12

松尾芭蕉