簡易課税制度と経理処理

 事業者が行う経理処理として、税抜経理方式と税込経理方式がありますが、
簡易課税方式を選択したからといって、どちらの方式が強制されるということはありません。
事業者が自ら選択した方式により経理処理を行うことができます。

 税抜経理方式で経理処理を行う場合、課税売上に対する消費税額は「仮受消費税」とし、
課税仕入に対する消費税額は「仮払消費税」とします。本則課税を採用する場合には、通常
「仮受消費税」と「仮払消費税」の差額が消費税額として支払う(或いは還付を受ける)金額となります。
 一方、簡易課税を選択した場合、「仮払消費税」の金額とは別に、「みなし仕入れ率」を用いて
課税仕入控除額を計算しますので、申告する消費税額は「仮受消費税」と「仮払消費税」の差額とは一致しません。
この一致しなかった金額は、消費税の精算差額として雑収入(或いは雑損失)として処理します。

 税込経理方式で経理処理を行う場合、取引金額の中に消費税額が含まれ、個々の取引における
消費税額を認識しません。このため、納付すべき消費税額は「租税公課」として損金処理します。
 また、消費税が還付になる場合には「雑収入」などの勘定で益金に算入します。

2016年05月17日