Q.相続人に対する株式の売渡請求とは何ですか?

A.株式会社は、相続等により譲渡制限株式を取得した者に対して、自社株を売渡すよう請求することができます。
この制度を適用するには、あらかじめ定款にその旨を定めておく必要があります。
また、実際に売渡請求を行う場合には、株主総会の決議が必要になります。
このとき、売渡請求の対象となる株主は、原則として議決権を行使することができません。
会社が相続人等に対して売渡請求を行い、自社株を取得する際、財源規制も適用されます。

当該制度は、株式分散防止の観点から、事業承継対策としても有効な手段ですが、
本来の後継者が相続人として株式を取得した際、少数株主によって売渡請求されてしまうことも
考えられますので、株主の状況や相続人の状況など、慎重に検討する必要があります。

2016年05月30日