Q.回収できない売掛金は貸倒処理できますか?

 税務上、貸倒として損金とするには厳しい要件があります。
売掛債権の相手方の状況によりますので、下記を参照してご検討ください。

1.債権が切り捨てられた場合
 1)会社更生法や民事再生法など法的手続きにより切り捨てられた場合
 2)法的手続きによらない債権者集会や金融機関の斡旋などによる協議で、
  合理的な基準により債権が切り捨てられた場合 
 3)債務者が債務超過の状態で相当期間継続しており、その債務者に対して
  書面で債務免除額を明らかにした場合

 これらの場合には、その事実があった事業年度の損金となります。

2.債権の全額が回収不能となった場合
 債務者の資産状況、支払能力等からその全額が回収不能であることが
 明らかになった場合には、その事業年度の損金とすることができます。
 但し、担保がある場合には担保を処分した後でなければ損金にできません。

3. 一定期間取引停止後弁済がない場合(売掛債権のみ)
 継続的な取引を行っていた債務者の支払能力が悪化したため、当該債務者との
 取引を停止した場合、取引停止の時と最後の弁済の時の最も遅い時から
 1年以上経過した場合には、損金とすることができます。
 また同一地域の債務者に対する売掛金で取立費用の方が多くかかってしまう
 場合には損金として処理することが認められます。

 

2016年04月05日