第八問(広告、勧誘に関する規制)

【問題 8】

貸金業の業務に関する広告又は勧誘についての次の①~④の記述のうち、その内容が適切なものを 1 つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 貸金業者の従業者が、当該貸金業者の貸金業の業務に関して顧客に対し勧誘をするに際し、貸付けの条件について著しく事実に相違する説明をした場合、当該貸金業者は、行政処分の対象となるが、刑事罰の対象とはならない。

② 日本貸金業協会が定める貸金業の業務運営に関する自主規制基本規則(以下、本問において「自主規制規則」という。)によれば、協会員は、個人向け貸付けの契約に係る広告をテレビ CM、新聞広告、雑誌広告及び電話帳広告に出稿するに当たり、協会が設ける審査機関から承認を得なければならないとされている。

③ 自主規制規則によれば、協会員は、貸金業の業務に関して勧誘をした場合において、当該勧誘を受けた資金需要者等が、勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の明確な意思の表示を行ったときは、当該意思表示のあった日から最低 3 か月間は当該勧誘に係る取引及びこれと類似する取引の勧誘を見合わせることを目処として対応しなければならないとされている。

④ 貸金業者が、その貸金業の業務に関して広告又は勧誘をする場合において、借入れが容易であることを過度に強調することにより、資金需要者等の借入意欲をそそるような表示又は説明をしたときは、当該貸金業者がその登録を受けた内閣総理大臣又は都道府県知事は、当該貸金業者に対して、その登録を取り消すことはできないが、その必要の限度において、業務の方法の変更その他業務の運営の改善に必要な措置を命ずることができる。

 

 

【正解】   ②

 

 

 

①(×)貸金業者は、資金需要者等に対し、虚偽のことを告げ、又は貸付けの契約の内容のうち重要な事項を告げない行為をしてはならない(貸金業法12条の6第1項1号)。当該規定に違反した場合、十年以下の懲役若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(貸金業法47条1項3号)。

②(〇)協会員は、次の各号に掲げる個人向け貸付けの契約に係る広告を出稿するにあたり、協会が設ける審査機関から承認を得なければならない(自主規制規則45条)。

 ⑴ テレビCM

 ⑵ 新聞及び雑誌広告

 ⑶ 電話帳広告

③(×)当該資金需要者等が、協会員が勧誘を行った取引に係る勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の明確な意思の表示を行った場合(例えば、当該勧誘対象者から協会員に対して、勧誘に係る取引について「今はいらない。」「当面は不要である。」等の一定の期間当該取引に係る勧誘を拒否する旨の意思を明示的に表示した場合等)当該意思表示のあった日から 最低 6ヶ 月間 は当該勧誘に係る取引及びこれと類似する取引の勧誘を見合わせるものとする(自主規制規則55条2項)。

④(×)貸金業者は、その貸金業の業務に関して広告又は勧誘をするときは、次に掲げる表示又は説明をしてはならない(貸金業法16条2項)。

 一 資金需要者等を誘引することを目的とした特定の商品を当該貸金業者の中心的な商品であると誤解させるような表示又は説明

 二 他の貸金業者の利用者又は返済能力がない者を対象として勧誘する旨の表示又は説明

 三 借入れが容易であることを過度に強調することにより、資金需要者等の借入意欲をそそるような表示又は説明

 四 公的な年金、手当等の受給者の借入意欲をそそるような表示又は説明

 五 貸付けの利率以外の利率を貸付けの利率と誤解させるような表示又は説明

 六 前各号に掲げるもののほか、資金需要者等の利益の保護に欠けるおそれがある表示又は説明として内閣府令で定めるもの

内閣総理大臣又は都道府県知事は、その登録を受けた貸金業者が貸金業の業務に関し法令又は法令に基づく内閣総理大臣若しくは都道府県知事の処分に違反したときは、当該貸金業者に対し登録を取り消し、又は一年以内の期間を定めて、その業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる(貸金業法24条の6の4第1項2号)。

 

 

 

 第九問へ

2024年03月04日