第2回講義レジュメ(貸金業法②)

1.登録拒否(欠格事由)

 ①  心身の故障により貸金業を適正に行うことができない者として内閣府令で定める者⇒精神の機能の障害により貸金業を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者。

 ② 破産者で復権を得ないもの

 ③  登録を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者(当該登録を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの日前30日以内に当該法人の役員であつた者で当該取消しの日から5年を経過しないものを含む。)

 ④ 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しない者

 ⑤  貸金業法、出資法、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律等の規定に違反し、又は貸付けの契約の締結若しくは当該契約に基づく債権の取立てに当たり、刑法 若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しない者

 ⑥  暴力団員又は暴力団員でなくなつた日から5年を経過しない者

 ⑦  貸金業に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者として内閣府令で定める者

 ⑧  営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人(法定代理人が法人である場合においては、その役員を含む。)が前各号のいずれかに該当するもの

 ⑨ 法人でその役員又は政令で定める使用人のうちに第一号から第七号までのいずれかに該当する者のあるもの

 ⑩  個人で政令で定める使用人のうちに第一号から第七号までのいずれかに該当する者のあるもの

 ⑪  暴力団員等がその事業活動を支配する者

 ⑫  暴力団員等をその業務に従事させ、又はその業務の補助者として使用するおそれのある者

 ⑬  営業所又は事務所について貸金業務取扱主任者の設置要件を欠く者

 ⑭ 純資産額が貸金業の業務を適正に実施するため必要かつ適当なものとして政令で定める金額(5,000万円)に満たない者

 ⑮  貸金業を的確に遂行するための必要な体制が整備されていると認められない者

 ⑯  他に営む業務が公益に反すると認められる者

 

2.開始等の届出

 貸金業者は、下記のいずれかに該当するときは、その旨をその登録をした内閣総理大臣又は都道府県知事に届け出なければならない(2週間以内)。

 ① 貸金業(貸金業の業務に関してする広告若しくは勧誘又は貸付けの契約に基づく債権の取立てに係る業務を含む。)を開始し、休止し、又は再開したとき。

 ② 指定信用情報機関と信用情報提供契約を締結したとき、又は当該信用情報提供契約を終了したとき。

 ③  登録拒否事由に該当することとなった場合

 ④ 貸金業者が営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者である場合におけるその法定代理人、役員又は重要な使用人が登録拒否事由に該当することとなつた事実を知つた場合

 ⑤ 貸付けに係る契約に基づく債権を他人に譲渡した場合

 ⑥ 役員又は使用人に貸金業の業務に関し法令に違反する行為又は貸金業の業務の適正な運営に支障を来す行為があつたことを知つた場合

 ⑦ 特定の保証業者との保証契約の締結を貸付けに係る契約の締結の通常の条件とすることとなつた場合

 ⑧ 第三者に貸金業の業務の委託を行つた場合又は当該業務の委託を行わなくなつた場合

 ⑨ 貸金業協会に加入又は脱退した場合

 

3.変更届

貸金業者は、登録申請書の記載事項に変更が生じたときは、登録先に対して変更の届出をしなければならない。届出時期は変更後2週間以内のものと予め届出を要するものがある。

予め届出を要するもの】

・営業所等の名称、所在地

・営業所等の電話番号、ホームページアドレス、電子メールアドレス

 その他の事項は変更後2週間以内に届出をすればよい。

 

4.登録換え

 登録先を変更する手続、変更前の登録は効力を失う。

 ① 内閣総理大臣の登録を受けた者が事務所の廃止等により、一つの都道府県においてのみ営業所を有することとなったとき(内閣総理大臣⇒都道府県知事)

 ② 都道府県知事の登録を受けた者が当該都道府県の事務所等を廃止し、他の都道府県に営業所等を有することとなったとき(都道府県知事⇒他の都道府県知事)

 ③ 都道府県知事の登録を受けた者が他の都道府県にも営業所等を設置し、複数の都道府県に営業所等を有することとなったとき(都道府県知事⇒内閣総理大臣)

 

5.登録の更新

 登録の有効期間は3年である。有効期間満了の日の2カ月前までに登録の更新手続きを行わなければならない。

 

6.廃業等の届出

 ①  貸金業者が死亡した場合:その相続人(死亡の事実を知った日から30日以内)

 ②  法人が合併により消滅した場合:その法人を代表する役員であった者

 ③  貸金業者について破産手続開始の決定があった場合:その破産管財人

 ④  法人が合併及び破産手続開始の決定以外の理由により解散をした場合:その清算人

 ⑤  貸金業を廃止した場合:貸金業者であった個人又は貸金業者であった法人を代表する役員

上記のいずれかに該当することになった場合、貸金業の登録は(届出がなくても)その効力を失う。

 

7.貸金業者の死亡(個人)

・相続人は貸金業者(個人)の死亡後60日間は、引き続き貸金業を営むことができる。

・この間に登録申請した場合、登録または登録の拒否があるまで貸金業を営むことができる。

 

2022年09月20日