第7回講義レジュメ(貸金業法⑦)

1.契約締結前の書面(貸付に係る契約)

貸金業者は、貸付けに係る契約を締結しようとする場合には、当該契約を締結するまでに、次に掲げる事項を明らかにし、当該契約の内容を説明する書面を当該契約の相手方となろうとする者に交付しなければならない。

 ① 貸金業者の商号、名称又は氏名及び住所

 ② 貸付けの金額

 ③ 貸付けの利率

 ④ 返済の方式

 ⑤ 返済期間及び返済回数

 ⑥ 賠償額の予定(違約金を含む。以下同じ。)に関する定めがあるときは、その内容

 ⑦ 貸金業者の登録番号

 ⑧ 債務者が負担すべき元本及び利息以外の金銭に関する事項

 ⑨ 契約の相手方の借入金返済能力に関する情報を信用情報に関する機関に登録するときは、その旨及びその内容

 ⑩ 利息の計算の方法

 ⑪ 返済の方法及び返済を受ける場所

 ⑫ 各回の返済期日及び返済金額の設定の方式

 ⑬ 契約上、返済期日前の返済ができるか否か及び返済ができるときは、その内容

 ⑭ 期限の利益の喪失の定めがあるときは、その旨及びその内容

 ⑮ 将来支払う返済金額の合計額(貸付けに係る契約を締結しようとする時点において将来支払う返済金額が定まらないときは、各回の返済期日に最低返済金額を支払うことその他の必要な仮定を置き、当該仮定に基づいた合計額及び当該仮定)

(その他の事項)

 指定紛争解決機関が存在する場合、手続実施基本契約を締結する措置を講ずる当該手続実施基本契約の相手方である指定紛争解決機関の商号又は名称

 指定紛争解決機関が存在しない場合、苦情処理措置及び紛争解決措置の内容

 

2.契約締結前の書面(極度方式基本契約)

 ① 貸金業者の商号、名称又は氏名及び住所

 ② 極度額(貸金業者が極度方式基本契約の相手方となろうとする者に対し貸付けの元本の残高の上限として極度額を下回る額を提示する場合にあつては、当該下回る額及び極度額)

 ③ 貸付けの利率

 ④ 返済の方式

 ⑤ 賠償額の予定に関する定めがあるときは、その内容

 上記⑦~⑭

 ⑮ 貸金業者が、極度方式基本契約に定める極度額(貸金業者が極度方式基本契約の相手方に対し貸付けの元本の残高の上限として極度額を下回る額を提示する場合にあつては、当該下回る額)を一回貸し付けることその他の必要な仮定を置き、当該仮定に基づいた将来支払う返済金額の合計額、返済期間及び返済回数並びに当該仮定

 ⑯ 上記「その他の事項」

 

3.契約締結時書面

貸金業者は、貸付けに係る契約を締結したときは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項についてその契約の内容を明らかにする書面をその相手方に交付しなければならない。当該書面に記載した事項のうち、重要な事項を変更したときも、同様とする。

 ① 貸金業者の商号、名称又は氏名及び住所

 ② 契約年月日

 ③ 貸付けの金額

 ④ 貸付けの利率

 ⑤ 返済の方式

 ⑥ 返済期間及び返済回数

 ⑦ 賠償額の予定に関する定めがあるときは、その内容

 ⑧ 貸金業者の登録番号

 ⑨ 契約の相手方の商号、名称又は氏名及び住所(極度方式貸付けに係る契約にあつては、当該契約の契約番号その他をもつて代えることができる。)

 ⑩ 貸付けに関し貸金業者が受け取る書面(極度方式貸付けに係る契約にあつては、当該極度方式貸付けに関し貸金業者が受け取る書面に限り、極度方式基本契約に関し貸金業者が受け取る書面を除く。)の内容

 ⑪ 債務者が負担すべき元本及び利息以外の金銭に関する事項

 ⑫ 契約の相手方の借入金返済能力に関する情報を信用情報に関する機関に登録するときは、その旨及びその内容

 ⑬ 利息の計算の方法

 ⑭ 返済の方法及び返済を受ける場所

 ⑮ 各回の返済期日及び返済金額(極度方式貸付けに係る契約であつて当該契約と同一の極度方式基本契約に基づく返済の条件が同種の他の極度方式貸付けに係る契約の債務が残存するときは、締結した極度方式貸付けに係る契約の各回の返済期日及び返済金額の記載に代えて、残存する債務と合わせた債務に係る将来の各回の返済期日及び返済金額を、当該契約の次回の返済期日及び返済金額の記載に代えて、残存する債務と合わせた債務に係る次回の返済期日及び返済金額を記載することができる。)

 ⑯ 契約上、返済期日前の返済ができるか否か及び返済ができるときは、その内容

 ⑰ 期限の利益の喪失の定めがあるときは、その旨及びその内容

 ⑱ 当該契約に基づく債権につき物的担保を供させるときは、当該担保の内容

 ⑲ 当該契約について保証契約を締結するときは、保証人の商号、名称又は氏名及び住所

 ⑳ 当該契約が、従前の貸付けの契約に基づく債務の残高を貸付金額とする貸付けに係る契約であるときは、従前の貸付けの契約に基づく債務の残高の内訳(元本、利息及び当該貸付けの契約に基づく債務の不履行による賠償額の別をいう。)及び当該貸付けの契約を特定し得る事項

 ㉑ 貸付けに係る契約の貸付けの利率が旧利息制限法第一条第一項 に規定する利率を超えるときは、超える部分について支払う義務を負わない旨

 ㉒ 将来支払う返済金額の合計額(極度方式貸付けに係る契約であつて当該契約と同一の極度方式基本契約に基づく返済の条件が同種の他の極度方式貸付けに係る契約の債務が残存するときは、締結した極度方式貸付けに係る契約の将来支払う返済金額の合計額の記載に代えて、残存する債務と合わせた債務の将来支払う返済金額の合計額を記載することができる。)

 

・貸金業者は、当該貸付けに係る契約又は保証契約の相手方の承諾を得て、契約締結時書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、貸金業者は、これらの書面の交付を行つたものとみなす。

・契約締結前書面も電磁的方法により提供することが可能(但し、契約の相手方の承諾が必要)。

 

4.保証契約に関する書面

(保証契約締結前の書面)

貸金業者は、貸付けに係る契約について保証契約を締結しようとする場合には、当該保証契約を締結するまでに、次に掲げる事項を明らかにし、当該保証契約の内容を説明する書面を当該保証契約の保証人となろうとする者に交付しなければならない。

 ① 貸金業者の商号、名称又は氏名及び住所

 ② 保証期間

 ③ 保証金額

 ④ 保証の範囲に関する事項で内閣府令で定めるもの

 ⑤ 保証人が主たる債務者と連帯して債務を負担するときは、民法454条の規定の趣旨その他の連帯保証債務の内容に関する事項

 ⑥ 保証契約に基づく債務の弁済の方式

 ⑦ 保証契約に賠償額の予定に関する定めがあるときは、その内容

 ⑧ 貸金業者の登録番号

 ⑨ 主たる債務者及び保証人の商号、名称又は氏名及び住所

 ⑩ 貸付けの契約に関し貸金業者が受け取る書面の内容

 ⑪ 保証人が負担すべき保証債務以外の金銭に関する事項

 ⑫ 保証契約に基づく債務の弁済の方法及び弁済を受ける場所

 ⑬ 保証契約に期限の利益の喪失の定めがあるときは、その旨及びその内容

 ⑭ 貸付けの契約に基づく債権につき物的担保を供させるときは、当該担保の内容

 ⑮ 貸付けに係る契約に基づく債権の一部が弁済その他の事由により消滅したときは、その事由、金額及び年月日

 ⑯ 保証契約上、保証人が保証契約を解除できるときは解除事由、解除できないときはその旨

 ⑰ 貸付けに係る契約(手形の割引の契約及び売渡担保の契約を除く。)の貸付けの利率が旧利息制限法第一条第一項 に規定する利率を超えるときは、超える部分について支払う義務を負わない旨

 

2022年09月20日