第三十四問(金銭消費貸借契約)

【問題 34】

貸主をAとし借主をBとする金銭消費貸借契約に関する次の①~④の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを 1 つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① Aは、Bとの間で、書面でする金銭消費貸借契約を締結した。この場合、Bは、当該契約に基づきAから借入金を受け取る前であれば、当該契約を解除することができる。

② Aは、Bとの間の金銭消費貸借契約において、利息の約定をせずにBに金銭を貸し付けた。この場合、Aは、Bに対し法定利息を請求することができる。

③ Aは、Bとの間の金銭消費貸借契約において、貸付金を 10 回の分割で返済する旨の約定をしてBに金銭を貸し付けた。この場合において、Bが各回の借入金債務について、そのうちの 1 回でも債務の履行を遅滞したときは、Aは、Bに対し、残債務全部の一括弁済を請求することができる。

④ Aは、利息を定めてBとの間で金銭消費貸借契約を締結したが、Bは利息の支払を1 年以上延滞し、Aが催告をしてもBはその利息を支払わなかった。この場合であっても、Aは、利息を元本に組み入れることはできない。

 

 

 

【正解】   ①

 

 

 

①(〇)書面でする消費貸借の借主は、貸主から金銭その他の物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。この場合において、貸主は、その契約の解除によって損害を受けたときは、借主に対し、その賠償を請求することができる(民法587条の2第2項)。

②(×)貸主は、特約がなければ、借主に対して利息を請求することができない(民法589条)。

③(×)債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる(民法415条1項)。債務不履行による損害賠償請求はできるが、一括弁済を請求できるわけではない。

④(×)利息の支払が一年分以上延滞した場合において、債権者が催告をしても、債務者がその利息を支払わないときは、債権者は、これを元本に組み入れることができる(民法405条)。

 

 

 

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2024年03月04日