第三十一問(債権)

【問題 31】

債権の目的及び効力に関する次の①~④の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを 1 つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 債権の目的が特定物の引渡しであるときは、債務者は、その引渡しをするまで、契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らして定まる善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない。

② 債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とし、特別の事情によって生じた損害については、損害賠償の対象とならない。

③ 債権者は、債務者が金銭債務の履行をしない場合、その不履行が不可抗力によるものであるときを除き、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。

④ 債権者と債務者との間で金銭債務の不履行について賠償額の予定をしなかったときは、債権者は、その債務不履行による損害賠償については、その損害額を証明しなければならない。

 

 

 

【正解】  ①

 

 

 

①(〇)債権の目的が特定物の引渡しであるときは、債務者は、その引渡しをするまで、契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らして定まる善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない(民法400条)。

②(×)債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする(民法416条1項)。特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見すべきであったときは、債権者は、その賠償を請求することができる(民法416条2項)。

③(×)債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない(民法415条1項)。

④(×)金銭の給付を目的とする債務の不履行については、債権者は、損害の証明をすることを要しない(民法419条2項)。

 

 

 

 

 

 第三十二問へ

2024年03月04日