【問題 30】
時効に関する次の①~④の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを 1 つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から 10 年間行使しないとき、又は権利を行使することができる時から 20 年間行使しないときは、時効によって消滅する。
② 当事者は、あらかじめ時効の利益を放棄したときは、時効を援用することができない。
③ 時効の完成猶予又は更新は、完成猶予又は更新の事由が生じた当事者、その承継人及び当該時効の完成猶予又は更新により利害関係が生じるすべての者の間において、その効力を有する。
④ 確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、確定の時に弁済期の到来していない債権を除き、10 年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、10 年とされる。
【正解】 ④
①(×)債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する(民法166条)。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。
②(×)時効の利益は、あらかじめ放棄することができない(民法146条)。
③(×)時効の完成猶予又は更新は、完成猶予又は更新の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する(民法153条)。
④(〇)確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、十年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、十年とする(民法169条)。