第四十二問(不法行為)

 【問題 42】

不当利得及び不法行為に関する次の①~④の記述のうち、民法上、その内容が適切でないものを 1 つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。

② 人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権を除き、不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から 3年間行使しないとき、又は不法行為の時から 20 年間行使しないときは、時効によって消滅する。

③ 法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした受益者は、善意であるか悪意であるかを問わず、その受けた利益に利息を付して返還する義務を負う。

④ 債務者は、弁済期にない債務の弁済として給付をしたときは、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、債務者が錯誤によってその給付をしたときは、債権者は、これによって得た利益を返還しなければならない。

 

 

 

【正解】   ③

 

 

①(〇)数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする(民法719条1項)。

②(〇)不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する(民法724条)。

 一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。

 二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。

③(×)債務者は、弁済期にない債務の弁済として給付をしたときは、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、債務者が錯誤によってその給付をしたときは、債権者は、これによって得た利益を返還しなければならない(民法706条)。

④(〇)債務者は、弁済期にない債務の弁済として給付をしたときは、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、債務者が錯誤によってその給付をしたときは、債権者は、これによって得た利益を返還しなければならない(民法76条)。

 

 

 

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2022年12月12日