第三十問(時効)

 【問題 30】

時効に関する次の①~④の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを 1 つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 裁判上の請求がある場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、その事由が終了した時から 6 か月を経過した時から新たにその進行を始める。

② 仮差押えがある場合には、その事由が終了した時から 6 か月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

③ 時効の更新事由である権利の承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないこと又は権限があることを要する。

④ 時効の利益は、あらかじめ放棄することができる。

 

 

 

【正解】  ②

 

 

①(×)裁判上の請求は、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない(民法147条1項)。

②(〇)仮差押えがある場合には、その事由が終了した時から 6 か月を経過するまでの間は、時効は、完成しない(民法149条)。

③(×) 時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める(民法152条1項)。権利の承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないこと又は権限があることを要しない(民法152条2項)。

④(×)時効の利益は、あらかじめ放棄することができない(民法146条)。

 

 

 

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2021年12月15日