第二十九問(無効・取消)

【問題 29】

無効及び取消しに関する次の①~④の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを 1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 無効な行為は、当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたときは、その行為をした時に遡って有効であるものとみなされる。

② 行為能力の制限によって取り消すことができる行為について、制限行為能力者は、その法定代理人、保佐人又は補助人の同意を得ずに、その行為を取り消すことができない。

③ 取り消すことができる行為は、民法第 120 条(取消権者)に規定する者が追認した後であっても、その行為の相手方が自己の債務の履行に着手するまでは、取り消すことができる。

④ 錯誤、詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅し、かつ、取消権を有することを知った後にしなければ、その効力を生じない。

 

 

 

【正解】   ④

 

 

①(×)無効な行為は、追認によっても、その効力を生じない。ただし、当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたときは、新たな行為をしたものとみなす(民法119条)。

②(×)行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者(他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為にあっては、当該他の制限行為能力者を含む。)又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる(民法120条)。

③(×)取り消すことができる行為は、第百二十条に規定する者が追認したときは、以後、取り消すことができない(民法122条)。

④(〇)取り消すことができる行為の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅し、かつ、取消権を有することを知った後にしなければ、その効力を生じない(民法124条)。

 

 

 

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2021年12月15日