第二十二問(取立規制)

 【問題 22】

取立て行為の規制に関する次の①~④の記述のうち、その内容が適切でないものを 1 つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 貸金業者向けの総合的な監督指針(以下、本問において「監督指針」という。)によれば、貸金業法第 21 条第 1 項第 5 号は、債務者等に心理的圧迫を加えることにより弁済を強要することを禁止する趣旨であり、債務者等から家族に知られないように要請を受けているか否かを問わず、債務者等の自宅に電話をかけ家族がこれを受けた場合に貸金業者であることを名乗り、郵送物の送付に当たり差出人として貸金業者であることを示したときは、同号に該当するおそれが大きいとされている。

② 貸金業を営む者は、債務者に対し支払を催告するために書面を送付するときには、その書面に封をするなどして債務者以外の者に当該債務者の借入れに関する事実が明らかにならないようにしなければならない。

③ 貸金業法第 21 条第 2 項に規定する支払を催告するための書面又はこれに代わる電磁的記録に記載又は記録すべき事項には、支払を催告する金額のほか、契約年月日、貸付けの金額及び貸付けの利率が含まれる。

④ 監督指針によれば、貸金業法第 21 条第 2 項第 2 号に規定する「当該書面又は電磁的記録を送付する者の氏名」については、当該債権を管理する部門又は営業所等において、当該債権を管理する者の氏名を記載することとされている。

 

 

 

【正解】   ①

 

 

①(×)法第21条第1項第5号は、債務者等に心理的圧迫を加えることにより弁済を強要することを禁止する趣旨であり、債務者等から家族に知られないように要請を受けている場合以外においては、債務者等の自宅に電話をかけ家族がこれを受けた場合に貸金業者であることを名乗り、郵送物の送付に当たり差出人として貸金業者であることを示したとしても、直ちに該当するものではないことに留意することとする(監督指針Ⅱ-2-19(1)④)。

②(〇)貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、債務者等に対し、支払を催告するために書面又はこれに代わる電磁的記録を送付するときは、当該書面に封をする方法、本人のみが使用していることが明らかな電子メールアドレスに電子メールを送付する方法その他の債務者の借入れに関する事実が債務者等以外の者に明らかにならない方法により行わなければならない(貸金業法施行規則19条2項)。

③(〇)貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、債務者等に対し、支払を催告するために書面又はこれに代わる電磁的記録を送付するときは、内閣府令で定めるところにより、これに次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない(貸金業法21条2項、貸金業法施行規則19条3項)。

 ・ 貸金業を営む者の商号、名称又は氏名及び住所並びに電話番号

 ・ 当該書面又は電磁的記録を送付する者の氏名

 ・ 契約年月日

 ・ 貸付けの金額

 ・ 貸付けの利率

 ・ 支払の催告に係る債権の弁済期

 ・ 支払を催告する金額

 ・ 支払の催告時における当該催告に係る残存債務の額

 ・ 支払を催告する金額の内訳(元本、利息及び債務の不履行による賠償額の別をいう。)

 ・ 書面又はこれに代わる電磁的記録を保証人に対し送付する場合にあつては、保証契約の契約年月日及び保証債務の極度額その他の保証人が負担する債務の範囲

④(〇)法第21条第2項第2号に規定する「当該書面又は電磁的記録を送付する者の氏名」については、当該債権を管理する部門又は営業所等において、当該債権を管理する者の氏名を記載すること(監督指針Ⅱ-2-19(1)⑦)。

 

 

 

 

 第二十三問へ

2021年12月15日