第三十五問(犯罪収益移転防止法)

【問題 35】

犯罪による収益の移転防止に関する法律についての次の①~④の記述のうち、その内容が適切なものを 1 つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 貸金業者は、顧客である株式会社(その株式を金融商品取引所に上場しているものとする。)の取引時確認を行う場合においては、当該会社のために当該貸金業者との間で当該取引時確認の対象となる取引を行っている当該会社の担当者の本人特定事項の確認を行わなければならない。

② 貸金業者は、個人顧客との間で特定取引を行うに際し、当該顧客から電気料金等の公共料金の領収証書の原本の提示を受けたときは、取引時確認における本人特定事項の確認を行ったものと認められる。

③ 貸金業者は、特定業務に係る取引について、顧客が組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第 10 条(犯罪収益等隠匿)の罪に当たる行為を行っている疑いがあると認められる場合においては、速やかに、管轄の行政庁及び当該貸金業者が加入している貸金業法上の指定信用情報機関に届け出なければならない。

④ 貸金業者は、取引時確認を行った場合には、直ちに、主務省令で定める方法により、当該取引時確認に係る事項、当該取引時確認のためにとった措置その他の主務省令で定める事項に関する記録を作成し、当該記録を、当該取引時確認を行った日から7 年間保存しなければならない。

 

 

【正解】   ①

 

 

 

①(〇)顧客が上場会社である場合における本人確認は、当該会社のために当該貸金業者との間で当

取引時確認の対象となる取引を行っている当該会社の担当者の本人特定事項の確認を行わなければならない(犯罪収益移転防止法4条5項)。

②(×)顧客から電気料金等の公共料金の領収証書の原本の提示を受けていても、取引時確認を行ったとは認められない(犯罪収益移転防止法施行規則7条1項)。

③(×)特定事業者は、特定業務に係る取引について、当該取引において収受した財産が犯罪による収益である疑いがあるかどうか、又は顧客等が当該取引に関し組織的犯罪処罰法第十条の罪若しくは麻薬特例法第六条の罪に当たる行為を行っている疑いがあるかどうかを判断し、これらの疑いがあると認められる場合においては、速やかに、政令で定めるところにより、政令で定める事項を行政庁に届け出なければならない(犯罪収益移転防止法8条1項)。指定信用情報機関への届出は法定されていない。

④(×)特定事業者は、取引記録等を、当該取引又は特定受任行為の代理等の行われた日から七年間保存しなければならない。

 

 

第三十六問へ

2022年12月12日