第二十五問(債権取立に関する規制)

【問題 25】

貸付けの契約に基づく債権の取立てに関する次の①~④の記述のうち、その内容が適切でないものを 1 つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 貸金業者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業者から委託を受けた者が、債務者等に対し、支払を催告するために送付する書面に記載しなければならない事項には、当該書面を送付する者の氏名が含まれる。

② 貸金業者は、債務者等から貸付けの契約に基づく債権に係る債務の処理の委託を受けた弁護士から、書面により、当該委託を受けた旨の通知を受けた場合、正当な理由がないのに、債務者等に対し、電話をかけ、電報を送達し、もしくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は訪問する方法により、当該債務を弁済することを要求し、これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更にこれらの方法で当該債務を弁済することを要求してはならない。

③ 貸金業者は、貸金業法第 21 条(取立て行為の規制)第 2 項の規定により、債務者等に対し、支払を催告するために書面又はこれに代わる電磁的記録を送付するときは、当該書面に封をする方法、本人のみが使用していることが明らかな電子メールアドレスに電子メールを送付する方法その他の債務者の借入れに関する事実が債務者等以外の者に明らかにならない方法により行わなければならない。

④ 貸金業者向けの総合的な監督指針によれば、監督当局は、貸金業者以外の者が貸し付けた債権について、貸金業者が、保証契約に基づき求償権を有する場合、その取立てに当たっては貸金業法第 21 条が適用されることがないため、不適切な取立て行為が行われないよう指導及び監視することに留意するものとされている。

 

 

 

【正解】   ④

 

 

 

①(〇)貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、債務者等に対し、支払を催告するために書面又はこれに代わる電磁的記録を送付するときは、内閣府令で定めるところにより、これに次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない(貸金業法21条2項)。

 一 貸金業を営む者の商号、名称又は氏名及び住所並びに電話番号

 二 当該書面又は電磁的記録を送付する者の氏名

 三 契約年月日

 四 貸付けの金額

 五 貸付けの利率

 六 支払の催告に係る債権の弁済期

 七 支払を催告する金額

 八 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項

②(〇)債務者等が、貸付けの契約に基づく債権に係る債務の処理を弁護士、弁護士法人若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人若しくは司法書士若しくは司法書士法人に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとり、弁護士等又は裁判所から書面によりその旨の通知があつた場合において、正当な理由がないのに、債務者等に対し、電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は訪問する方法により、当該債務を弁済することを要求し、これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更にこれらの方法で当該債務を弁済することを要求することをしてはならない(貸金業法21条1項9号)。

③(〇)貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、法第二十一条第二項(法第二十四条第二項、第二十四条の二第二項、第二十四条の三第二項、第二十四条の四第二項、第二十四条の五第二項及び第二十四条の六において準用する場合を含む。)の規定により、債務者等に対し、支払を催告するために書面又はこれに代わる電磁的記録を送付するときは、当該書面に封をする方法、本人のみが使用していることが明らかな電子メールアドレスに電子メールを送付する方法その他の債務者の借入れに関する事実が債務者等以外の者に明らかにならない方法により行わなければならない(貸金業法施行規則19条2項)。

④(×)貸金業者以外の者が貸付けた債権について、貸金業者が、保証契約に基づき求償権を有する場合(保証履行により求償権を取得した場合を含む)、その取立てに当たっては、法第21条が適用され得ることに留意する(監督指針Ⅱ-2-19⑧)。

 

 

 

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2022年12月05日