第三十八問(未成年者)

【問題38】

Aは、未成年者であるBとの間で、Aを貸主としBを借主とする金銭消費貸借契約(以下、本問において「本件貸付契約」という)を締結しようとしている。この場合に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① Bの親権者であるC及びDは、民法上、Bの代理人として、Aとの間で本件貸付契約を締結することができる。

② Bが、Aとの間で本件貸付契約を締結するに際し、その親権者であるC及びDの同意を得なかった場合、民法上、Bは本件貸付契約を取り消すことができる。

③ Bが、自己を成年であるとAに信じさせるため詐術を用いてAとの間で本件貸付契約を締結した場合、民法上、Bは本件貸付契約を取り消すことができない。

④ Bが、婚姻した後、20歳に達する前に、Bの親権者であるC及びDの同意を得ずにAとの間で本件貸付契約を締結した場合、民法上、C及びDは本件貸付契約を取り消すことができる。

 

 

【正解】   ④

 

①(○)成年に達しない子は、父母の親権に服し(民法818条1項)、親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する(民法824条)ため、Bの代理人として貸付契約を締結することができる。

②(○)未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない(民法5条1項)。また、法定代理人の同意を得なかった法律行為は、取り消すことができる(同条2項)。

③(○)制限行為能力者が、行為能力者であることを信じさせるための詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない(民法21条)。

④(×)未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす(民法753条)。よって、同意を得ずに契約を締結したとしても、その契約は取り消すことができない。

 

 

 

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2017年02月26日