第三十六問(強制執行)

【問題 36】

A社は、Bに金銭を貸し付けたが、Bが約定の期日に貸付金を返済しないため、法的措置により強制的に貸付金を回収することを検討している。この場合に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① A社がBの財産について強制執行を申し立てるためには、必ず確定判決を得なければならない。

② Bが会社員として給与(毎月20 日払、月額33 万円)を受領している場合、A社は、Bの給与債権については、その4分の3に相当する部分を差し押さえることができる。

③ A社がBのCに対して有する売掛金債権を差し押さえ、当該売掛金債権について転付命令が確定した場合、A社のBに対する貸付金債権及び執行費用は、BのCに対する売掛金債権が存する限り、その券面額で、転付命令がCに送達された時に弁済されたものとみなされる。

④ Bが破産手続開始決定を受けた場合において、当該破産手続開始決定前に、A社がBの財産について強制執行を申し立てていたときは、当該強制執行の手続は失効せず、進行する。

 

 

 

【正解】   ➂

 

①(×)債務名義には、確定判決のほか仮執行宣言付支払督促や、和解調書、調停調書もある。

②(×)退職手当及びその性質を有する給与に係る債権については、その給付の四分の三に相当する部分は、差し押さえてはならない(民事執行法152条2項)。

③(○)差押命令及び転付命令が確定した場合においては、差押債権者の債権及び執行費用は、転付命令に係る金銭債権が存する限り、その券面額で、転付命令が第三債務者に送達された時に弁済されたものとみなす(民事執行法160条)。

④(×)破産手続開始決定を受けると、強制執行の手続は失効する。

 

 

 

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2017年02月26日