第三十五問(民事再生手続)

【問題 35】

A社はB社に対し金銭を貸し付けた。その後、B社が民事再生法に規定する再生手続(以下、本問において「民事再生手続」という)開始の申立てをする旨の通知がB社の代理人である弁護士CからA社に送付された。この場合に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① A社がCから民事再生手続開始の申立てをする旨の通知を受けた場合、民事再生手続開始決定が出される前であっても、A社は、原則としてB社の財産につき強制執行を申し立てることはできない。

② A社がB社の不動産に抵当権を設定していた場合、民事再生手続が開始された後であっても、A社は、原則として民事再生手続によらないで抵当権を実行することができる。

③ B社について民事再生手続開始決定がなされた後、再生計画案について3分の1の議決権を有するA社が再生計画案に反対をした場合は、他のすべての債権者が同意をしたとしても、再生計画案が可決されることはない。

④ B社について民事再生手続開始決定がなされた後、再生計画案が可決され、再生計画認可の決定が確定した。再生債権者表には、A社の債権の記載がなされており、また再生計画条項の記載もなされている。その後、B社が再生計画に従った弁済をしなかった場合、A社は、別途債務名義を取得しなければ、B社の財産につき強制執行を申し立てることはできない。

 

 

 

【正解】   ②

 

①(×)再生手続開始の決定があったときは、破産手続開始、再生手続開始若しくは特別清算開始の申立て、再生債務者の財産に対する再生債権に基づく強制執行等の申立てはすることができない(民事再生法39条1項)が、民事再生手続き開始決定の前であれば可能である。

②(〇)抵当権は、別除権として再生手続によらないで、行使することができる(民事再生法53条2項)。

③(×)再生計画案の可決には、議決権者の過半数の同意と議決権者の議決権の総額の2分の1以上の議決権を有する者の同意が必要である(民事再生法172条の3第1項)。従って、他のすべての債権者が同意すれば、再生計画案は可決される。

④(×)A社は、別途債務名義を取得することなく、B社の財産につき強制執行を申し立てることができる。

 

 

 

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2017年02月26日