第十九問(極度方式基本契約における契約締結前書面)

【問題 19】

貸金業者であるA社は、貸金業法の完全施行日後に、個人顧客であるBとの間で極度額を100万円とする極度方式基本契約を締結し、遅滞なく、貸金業法第17条第2項前段に規定する書面(極度方式基本契約における契約締結時の書面)をBに交付した。また、これと同時に、A社は、Bとの間で、当該極度方式基本契約に基づきBに10万円を貸し付ける旨の極度方式貸付けに係る契約(以下、本問において「本件極度方式貸付契約」という)を締結しBに10万円を貸し付けた。この場合に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① A社は、Bとの間で本件極度方式貸付契約を締結するに当たり、Bに交付すべき「貸金業法第17 条第1項前段に規定する書面」(以下、本問において「契約締結時の書面」という)においては、A社の登録番号の記載を省略することができる。

② A社は、Bとの間で本件極度方式貸付契約を締結するに当たり、Bからあらかじめ書面による承諾を得たときであっても、契約締結時の書面に記載すべき事項を電磁的方法によりBに提供することはできない。

③ A社は、Bとの間で本件極度方式貸付契約を締結するに当たり、Bに交付すべき契約締結時の書面にBの商号、名称又は氏名及び住所、又はこれらに代えて本件極度方式貸付契約の契約番号その他を記載しなければならない。

④ A社は、本件極度方式貸付契約に基づく債権についてBから弁済を受けた場合において、Bに対し、その承諾を得て、貸金業法第18条第3項に規定する、一定期間における貸付け及び弁済その他の取引の状況を記載した書面として内閣府令で定めるもの(マンスリーステートメント)を交付するときは、貸金業法第18条第1項に規定する書面(受取証書)の交付に代えて、受領年月日及び受領金額等を記載した書面(簡素化書面)をBに交付することができる。

 

 

【正解】   ②

 

①(○)貸金業者の登録番号は、極度方式貸付けに係る契約であつて当該契約で定める利息の額が利息制限法に定める利息の制限額を超えないものを締結するときは、記載を省略することができる(貸金業法施行規則13条1項1号イ)。

②(×)契約締結時の書面は、あらかじめ書面(或いは電磁的方法)により承諾を得ていれば、電磁的方法により提供することが出来る。

③(○)契約締結時書面には、契約の相手方の商号、名称又は氏名及び住所を記載しなければならないが、極度方式貸付けに係る契約にあつては、当該契約の契約番号その他をもつて代えることができる(貸金業法施行規則13条1項1号ロ)。

④(○)マンスリーステートメントを交付するときは、貸金業法第18条第1項に規定する書面(受取証書)の交付に代えて、受領年月日及び受領金額等を記載した書面(簡素化書面)をBに交付することができる。

 

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2017年02月25日