第六問(契約締結時書面)

【問題 6】

貸金業者であるA社は、個人顧客であるBとの間で極度方式基本契約(以下、本問において「本件基本契約」という)を締結し、遅滞なく、貸金業法第17条第2項前段に規定する書面(契約締結時の書面)をBに交付した。なお、A社はBに貸付けの元本の残高の上限として極度額を下回る額を提示していない。この場合に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① A社は、Bとの間で本件基本契約を締結した後、Bと合意の上で本件基本契約における貸付けの利率を引き下げた。この場合、A社は、変更後の貸付けの利率が記載された「貸金業法第17 条第2項後段に規定する書面」(以下、本問において「契約変更時の書面」という)をBに交付しなければならない。

② A社は、Bとの間で本件基本契約を締結した後、Bと合意の上で本件基本契約について、Bにとって不利益となる期限の利益喪失事由を新たに追加した。この場合、A社は、新たに追加された期限の利益喪失事由が記載された契約変更時の書面をBに交付しなければならない。

③ A社は、Bとの間で本件基本契約を締結した後、Bと合意の上でいったん極度額を引き下げた後に再び引き上げた。この場合において、引き上げ後の極度額が本件基本契約締結時に定めた極度額を超えないときであっても、A社は、変更後の極度額が記載された契約変更時の書面をBに交付しなければならない。

④ A社がBとの間で本件基本契約を締結した後、Bの住所に変更が生じた。この場合、A社は、変更後のBの住所が記載された契約変更時の書面をBに交付しなければならない。

 

 

 

【正解】    ②

 

①(×)貸付けの利率を引き下げる場合は契約変更時の書面の交付を省略できる(貸金業法施行規則13条4項1号イ)

②(○)資金需要者等にとって不利益となる期限の利益喪失事由を新たに追加した場合、契約変更時の書面を交付しなければならない。

③(×)極度額(貸金業者が極度方式基本契約の相手方に対し貸付けの元本の上限として極度額を下回る額を提示する場合にあつては、当該下回る額又は極度額)を引き下げた後、元の額を上回らない額まで引き上げたときは、契約変更時の書面の交付は省略できる。

④(×)住所の変更が生じた場合、契約変更時の書面を交付する義務はない。

 

 

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2017年02月27日