第三十八問(保証)

【問題 38】

保証人(連帯保証人ではないものとする。以下、本問において「保証人」という)に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 債権者は、主たる債務者にその債務の履行を催告したが、主たる債務者が債務を履行しなかったため、保証人に保証債務の履行を請求した。この場合において、保証人が、主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。

② 保証人の負担が、債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、その負担は、主たる債務の限度に減縮される。

③ 数人の保証人が主たる債務者の金銭債務を保証する場合には、各保証人が各別の行為により債務を負担したときであっても、民法上、各保証人は、主たる債務の全額に相当する額について保証債務を履行する義務を負う。

④ 主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による消滅時効の中断は、保証人に対しても、その効力を生ずる。

 

 

 

【正解】    ③

 

①(○)債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又はその行方が知れないときは、この限りでない(民法452条)。

②(○)保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に縮減する(民法448条)。

③(×)数人の保証人がある場合には、それらの保証人が各別の行為により債務を負担したときであっても、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う(民法456条)。

④(○)主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の中断は、保証人に対しても、その効力を生ずる(民法457条1項)。

 

 

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2017年03月01日