第三十二問(消滅時効)

【問題 32】

消滅時効に関する次のa〜dの記述のうち、その内容が適切なものの組み合わせを①〜④の中から1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

a 債権者が、「債務者に対する債権の弁済期の到来後、消滅時効期間が経過するまでの間」(以下、本問において「時効期間中」という)に、債務者から債務承認書の提出を受けるなどの方法により、その債務の承認を得た場合であっても、当該債権者の当該債務者に対する債権の消滅時効の中断の効力は生じない。

b 債権者が、時効期間中に、債務者を被告として民事訴訟を提起した後、当該訴えを取り下げた場合、当該債権者の当該債務者に対する債権の消滅時効の中断の効力は生じない。

c 債権者が、時効期間中に、債務の弁済を請求する文書(請求書)を債務者に交付した場合、債務者が請求書を受領した時点で、直ちに当該債権者の当該債務者に対する債権の消滅時効の中断の効力を生じる。

d 債権者が、時効期間中に、簡易裁判所に民事調停を申し立てたが、債務者との間で調停がととのわない場合、当該債権者が1か月以内に訴えを提起しなければ、当該債権者の当該債務者に対する債権の消滅時効の中断の効力を生じない。

① ab

② ac

③ bd

④ cd

 

 

 

【正解】    ③

 

a(×)「承認」は時効の中断事由である(民法147条3項)。

b(○)裁判上の請求は、訴えの却下又は取下げの場合には、時効の中断の効力を生じない(民法149条)。

c(×)催告は、6か月以内に裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、民事調停法若しくは家事審判法による調停の申立て、破産手続参加、再生手続参加、更生手続参加、差押え、仮差押え又は仮処分をしなければ、時効の中断の効力を生じない(民法153条)。

d(○)和解の申立て又は民事調停法若しくは家事審判法による調停の申立ては、相手方が出頭せず、又は和解若しくは調停が調わないときは、一箇月以内に訴えを提起しなければ、時効の中断の効力を生じない(民法151条)。

 

 

 

 

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2017年02月28日