【問題 2】
反社会的勢力による被害の防止に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 貸金業者向けの総合的な監督指針(以下、本問において「監督指針」という)では、監督当局は、貸金業者を監督するに当たって、貸金業者が、反社会的勢力による不当要求が発生した場合の対応を総括する部署(反社会的勢力対応部署)を整備し、反社会的勢力による被害を防止するための一元的な管理態勢が構築され、機能しているかに留意するものとされている。
② 監督指針では、監督当局は、貸金業者を監督するに当たって、貸金業者が、反社会的勢力であることを知らずに関係を有してしまった場合には、反社会的勢力であることが判明した後は、合理的な理由がない限り、資金提供等を行わないこととしているかに留意するものとされている。
③ 監督指針では、暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人である反社会的勢力をとらえるに際しては、暴力団や暴力団関係企業等といった属性要件に着目することなく、暴力的な要求行為、法的な責任を超えた不当な要求といった行為要件のみに着目することが重要であるとされている。
④ 監督指針では、監督当局は、貸金業者を監督するに当たって、貸金業者が、反社会的勢力から不当要求がなされた場合には、担当者や担当部署だけに任せることなく経営陣が適切に関与し、組織として対応することとし、その際の対応として、報復等による被害の拡大が予想される民事上の法的対抗手段を講じてはならず、直ちに被害届を提出するなど、迅速に刑事事件化することとしているかに留意するものとされている。
【正解】 ①
①(○)反社会的勢力との取引が判明した場合及び反社会的勢力による不当要求がなされた場合等において、当該情報を反社会的勢力対応部署へ迅速かつ適切に報告・相談する体制となっているか。また、反社会的勢力対応部署は、当該情報を迅速かつ適切に経営陣に対し報告する体制となっているか。さらに、反社会的勢力対応部署において実際に反社会的勢力に対応する担当者の安全を確保し担当部署を支援する体制となっているか(監督指針Ⅱ-2-6②ハ)。
②(×)反社会的勢力とは一切の関係をもたず、反社会的勢力であることを知らずに関係を有してしまった場合には、相手方が反社会的勢力であると判明した時点で可能な限り速やかに関係を解消するための態勢整備及び反社会的勢力による不当要求に適切に対応するための態勢整備について検証するものとしている(監督指針Ⅱ-2-6(1)主な着眼点)。
③(×)暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人である「反社会的勢力」をとらえるに際しては、暴力団、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標榜ゴロ、政治活動標榜ゴロ、特殊知能暴力集団等といった属性要件に着目するとともに、暴力的な要求行為、法的な責任を超えた不当な要求といった行為要件にも着目することが重要である(平成23年12月22日付警察庁次長通達「組織犯罪対策要綱」参照)。
④(×)反社会的勢力からの不当要求に対しては、あらゆる民事上の法的対抗手段を講ずるとともに、積極的に被害届を提出するなど、刑事事件化も躊躇しない対応を行うこととしているか。