【問題 31】
契約の成立に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① AがBとの間で金銭を貸し付ける契約を締結する場合、当該契約は、民法の規定によれば、Aが金銭を貸し付けることを約し、Bがこれに対して借り入れた金銭と同額の金銭を返還することを約することによって成立する、いわゆる諾成契約とされている。
② 東京在住のAが、大阪に所在するB社との間で、B社から商品を購入する契約を締結するため、B社に契約の申込書を郵送した。B社がAからの契約の申込みに対して承諾の通知を郵送し当該通知がAに到達した。この場合、民法上、AとB社との間の売買契約は、B社が郵送した承諾の通知がAに到達した時に成立する。
③ Aが、事務用品の販売会社であるB社がインターネットのホームページ上に設置している商品購入画面で事務用品の購入を申し込み、B社は承諾の通知を電子メールで送信した。この場合、電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律上、AとB社との間の売買契約は、B社が送信した電子メールがAに到達した時に成立する。
④ 商人Aが、平常取引をしているBから、その営業の部類に属する契約の申込みを受けたが、契約の申込みに対する諾否の通知を遅滞なく発しなかった場合、商法上、Aは当該契約の申込みを拒絶したものとみなされる。
【正解】 ③
①(×)消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還することを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる(民法587条)。
②(×)隔地者間の契約は、承諾の通知を発した時に成立する(民法526条1項)。
③(○)電子消費者契約法上、ホームページ上での申込は、事業者が承諾したメールが到達した時に成立する(電子消費者契約法4条)。
④(×)商人が平常取引をする者からその営業の部類に属する契約の申込みを受けたときは、遅滞なく契約の申込みに対する諾否の通知を発しなければならず(商法509条1項)、当該通知を怠ったときは、契約の申込みを承諾したものとみなす(同条2項)。