【問題 30】
貸金業者であるA社は、貸金業の業務を第三者であるB社へ委託した。この場合、貸金業者向けの総合的な監督指針において、監督当局が、A社の監督に当たって留意するものとされている事項に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 外部委託された業務が海外で行われる場合を除き、A社が、B社と委託契約を締結していてもA社とA社の顧客との間の権利義務関係に変更がなく、顧客に対しては、A社が業務を行ったものと同様の権利が確保されていることを明らかにしているか
② A社が、B社における法令等遵守態勢の整備について、必要な指示を行うなど、適切な措置を確保しているか
③ A社が、外部委託リスクが顕在化したときの対応を規定した社内規則等を定め、役職員が社内規則等に基づき適切な取扱いを行うよう、社内研修等により周知徹底を図っているか
④ 委託業務に関して契約どおりサービスの提供が受けられない場合、A社が、顧客利便に支障が生じることを未然に防止するための態勢を整備しているか
【正解】 ①
①(×)委託契約によっても当該貸金業者と資金需要者等との間の権利義務関係に変更がなく、資金需要者等に対しては、当該貸金業者自身が業務を行ったものと同様の権利が確保されていることが明らかとなっているか。外部委託には、形式上、外部委託契約が結ばれていなくともその実態において外部委託と同視しうる場合や当該外部委託された業務等が海外で行われる場合も含む。
②(○)委託先における法令等遵守態勢の整備について、必要な指示を行うなど、適切な措置が確保されているか。また、外部委託を行うことによって、検査や報告命令、記録の提出など監督当局に対する義務の履行等を妨げないような措置が講じられているか。
③(○)委託先の選定基準や外部委託リスクが顕在化したときの対応などを規定した社内規則等を定め、役職員が社内規則等に基づき適切な取扱いを行うよう、社内研修等により周知徹底を図っているか。
④(○)委託業務に関して契約どおりサービスの提供が受けられない場合、貸金業者は顧客利便に支障が生じることを未然に防止するための態勢を整備しているか。