第三十九問(債権)

【問題 39】

債権の消滅に関する次の①〜④の記述のうち、民法上、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① Aは、Bに対する貸付金債権をCに譲渡する旨の債権譲渡契約をCとの間で締結し、AからBにその旨の債権譲渡通知がなされた後に、当該債権譲渡契約は解除された。その後、Bは、Cから当該債権の弁済の請求を受けてCに弁済した。Bが、当該債権譲渡契約が解除されたことを過失なく知らなかった場合、BがCに対して行った弁済は有効である。

② Aが、Bに対して貸付金債権を有している場合において、Bが、Aの承諾を得て、借入金の弁済に代えてBが所有する絵画を引き渡したときは、当該債権は消滅する。

③ Aが、Bの承諾を得て、Cとの間で、AのBに対する貸付金債権について債務者をCとする旨の債務者の交替による更改の契約を締結した場合、当該債権は消滅する。

④ Aは、Bに対して貸付金債権を有しており、当該債権についてAの債権者であるCが質権の設定を受けている場合において、Aが死亡し、Bがその唯一の相続人としてAを相続したときは、混同により、当該債権は消滅する。

 

 

 

【正解】   ④

 

 

 

①(〇)債権の準占有者に対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ過失がなかった時に限り、その効力を有する(民法478条)。

⇒(民法改正後)受領権者以外の者であって取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有する者に対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する(民法478条)。

②(〇)債務者が、債権者の承諾を得て、その負担した給付に代えて他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する(民法482条)。

⇒(民法改正後)弁済をすることができる者が、債権者との間で、債務者の負担した給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をした場合において、その弁済者が当該他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する(民法482条)。

③(〇)債務者の交替による更改は、債権者と更改後に債務者となる者との契約によってすることができる。ただし、更改前の債務者の意思に反するときは、この限りでない(民法514条)。

⇒(民法改正後)債務者の交替による更改は、債権者と更改後に債務者となる者との契約によってすることができる。この場合において、更改は、債権者が更改前の債務者に対してその契約をした旨を通知した時に、その効力を生ずる(民法514条)。

④(×)債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する。ただし、その債権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない(民法520条)。

 

 

 

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2018年11月23日