第三十問(時効)

【問題 30】

時効に関する次の①〜④の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 10年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であったときは、過失の有無を問わず、その所有権を取得する。

② 催告は、3か月以内に、裁判上の請求、和解の申立て、調停の申立て、破産手続参加又は再生手続参加をしなければ、時効の中断の効力を生じない。

③ 仮差押えは、3か月以内に、差押えをしなければ、時効の中断の効力を生じない。

④ 時効の期間の満了の時に当たり、天災その他避けることのできない事変のため時効を中断することができないときは、その障害が消滅した時から2週間を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

 

 

 

【正解】   ④

 

①(×)10年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ過失がなかったときは、その所有権を取得する(民法162条2項)。

②(×)催告は、6か月以内に、裁判上の請求、和解の申立て、調停の申立て、破産手続参加又は再生手続参加をしなければ、時効の中断の効力を生じない。

(民法改正後)催告があったときは、その時から6か月を経過するまでの間は、時効は、完成しない(民法150条1項)。

③(×)仮差押えは、差押をしなくても時効の中断の効力を失わない(民法147条2項)。

(民法改正後)次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了した時から6か月を経過するまでの間は、時効は完成しない(民法149条)。

 一 仮差押え

 二 仮処分

④(〇)時効の期間の満了の時に当たり、天災その他避けることのできない事変のため時効を中断することができないときは、その障害が消滅した時から2週間を経過するまでの間は、時効は、完成しない(民法161条)。

(民法改正後)時効の期間の満了の時に当たり、天災その他避けることのできない事変のため第147条第1項各号又は第148条第1項各号に掲げる事由に係る手続を行うことができないときは、その障害が消滅した時から三ヶ月を経過するまでの間は、完成しない。

 

 

 

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2018年11月23日