第八問(返済能力の調査)

【問題 8】

貸金業法第13条(返済能力の調査)に関する次の記述のうち、その内容が適切なものを①〜④の中から1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。なお、本問における貸付けに係る契約は、極度方式基本契約及び極度方式貸付けに係る契約ではないものとする。また、本問における貸金業者は、非営利特例対象法人及び特定非営利金融法人ではないものとする。

① 貸金業者は、個人である顧客との間で、他の貸金業者を債権者とする金銭の貸借の媒介に係る契約を締結しようとする場合、当該顧客の返済能力の調査を行うに際し、指定信用情報機関が保有する信用情報を使用しなければならない。

② 貸金業者は、法人である顧客との間で、手形(融通手形を除く。)の割引を内容とする契約を締結しようとする場合、当該顧客の収入又は収益その他の資力、信用、借入れの状況、返済計画その他の返済能力に関する事項を調査する必要はない。

③ 貸金業者は、当該貸金業者とは他に貸付けに係る契約を締結していない個人である顧客との間で、貸付けの金額が30万円である貸付けに係る契約を締結しようとする場合において、指定信用情報機関が保有する信用情報を使用して返済能力の調査を行った結果、当該顧客の他の貸金業者に対する借入残高が70万円であることが判明したときは、当該契約を締結するに際して、当該顧客から、当該顧客の資力を明らかにする書面等の提出又は提供を受けなければならない。

④ 貸金業者は、個人である顧客との間で、貸付けに係る契約を締結した場合、内閣府令で定めるところにより、貸金業法第13条第1項の規定による調査に関する記録を作成し、これを当該貸付けに係る契約に定められた最終の返済期日(当該貸付けに係る契約に基づく債権が弁済その他の事由により消滅したときにあっては、当該債権の消滅した日)までの間保存しなければならない。

 

 

【正解】   ④

 

 

①(×)金銭の貸借の媒介に係る契約を締結しようとする場合には、指定信用情報機関の信用情報の利用は強制されない(貸金業法施行規則10条の16第1項2号)。

②(×)貸金業者は、貸付けの契約を締結しようとする場合には、顧客等の収入又は収益その他の資力、信用、借入れの状況、返済計画その他の返済能力に関する事項を調査しなければならない。手形割引についても「貸付け」に含まれるため、返済能力の調査は必要である。

③(×)他社の借入残高と新規貸付額の合計が100万円を超える場合には、当該顧客の資力を明らかにする書面等が必要になる。

④(〇)貸金業者は、返済能力の調査に関する記録を、次の各号に掲げる貸付けの契約の区分に応じ、当該各号に定める日までの間保存しなければならない。

 1)貸付けに係る契約 当該貸付けに係る契約に定められた最終の返済期日(当該貸付けに係る契約に基づく債権が弁済その他の事由により消滅したときにあつては、当該債権の消滅した日(当該貸付けに係る契約が極度方式基本契約又は極度方式貸付けに係る契約である場合にあつては、当該極度方式基本契約の解除の日又は当該極度方式基本契約に基づくすべての極度方式貸付けに係る契約に定められた最終の返済期日のうち最後のもの(これらの契約に基づく債権のすべてが弁済その他の事由により消滅したときにあつては、その消滅した日)のうちいずれか遅い日))

 2)貸付けに係る契約の保証契約 前号に定める日又は当該保証契約に基づく債務が消滅した日のうちいずれか早い日

 

 

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2020年11月16日