【問題38】
時効に関する次の①〜④の記述のうち、民法上、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 裁判上の請求がなされた場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、裁判上の請求が終了した時から新たにその進行を始める。
② 強制執行が申し立てられた場合において、当該申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによって強制執行が終了したときは、その終了の時から6か月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
③ 仮差押えが申し立てられた場合、仮差押えは時効の更新事由に該当するため、時効は、仮差押えが終了した時から新たにその進行を始める。
④ 債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき、又は権利を行使することができる時から10年間行使しないときは、債権は、時効によって消滅する。
【正解】 ③
①(〇)裁判上の請求は、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、当該事由が終了した時から新たにその進行を始める(民法147条第2項)。
②(〇)強制執行が申し立てられた場合、当該事由が終了する(申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない(民法148条第1項)。
③(×)仮差押え、仮処分があった場合、その事由が終了した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない(民法149条)。
④(〇)債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する(民法166条第1項)。
1) 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
2) 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。