第十六問(利息制限法)

【問題16】

Aは貸金業者、BはAの顧客、Cは保証業者である。保証料の制限等に関する次の①〜④の記述のうち、利息制限法及び出資法(注)上、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。なお、本問における営業的金銭消費貸借契約は、貸付期間を1年とし元利一括返済とする旨の約定がなされているものとする。

① Aは、Bとの間で、元本額100万円、利率年1割3分(13 %)とする営業的金銭消費貸借契約を締結して100万円をBに貸し付け、当該契約について、Cとの間で、保証契約を締結した。この場合において、CがBとの間で締結する保証料の契約は、その保証料が20,000円を超えるときは、その契約の全部が無効となる。

② Aは、Bとの間で、元本額50万円、利率年1割4分(14 %)とする営業的金銭消費貸借契約を締結して50万円をBに貸し付け、当該契約について、Cとの間で、保証契約を締結した。その後、Cは、Bとの間で、CがBから15,000円の保証料の支払を受ける旨の保証料の契約を締結した。この場合において、AとBとの合意により、当該営業的金銭消費貸借契約の利息を利率年1割6分(16 %)に変更したときは、当該変更後の利息の約定は、年1割5分(15 %)を超える部分に限り無効となる。

③ Aは、Bとの間で、元本額80万円とする営業的金銭消費貸借契約を締結して80万円をBに貸し付け、BがAに支払う利息を変動利率をもって定めた。Aは、当該契約について、Cとの間で、保証契約を締結し、当該保証契約においてAがBから支払を受けることができる利息の利率の上限を年1割6分(16 %)とする定めをし、当該定めをBに通知した。この場合、Cは、Bとの間で保証料の契約を締結し、Bから、24,000円の範囲内で保証料の支払を受けることができる。

④ Aは、Bとの間で、元本額20万円、利率年1割2分(12 %)とする営業的金銭消費貸借契約を締結して20万円をBに貸し付け、当該契約について、Cとの間で、保証契約を締結した。その後、Cは、Bとの間で、CがBから20,000 円の保証料の支払を受ける旨の保証料の契約を締結した。この場合、A及びCは、出資法上、刑事罰の対象となる。

(注) 出資法とは、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律をいう。

 

 

【正解】   ②

 

 

①(×)上限金利を超える約定は、その超える部分に限り無効となる(利息制限法1条)。

②(〇)元本が50万円のときの上限金利は18%である。貸付けの金利14%と保証料が金利換算で3%であるため、貸付の金利は15%が上限金利となる。

③(×)元本が80万円のときの上限金利は18%である。利息の上限を定め(特約上限利率)、当該定めを債務者に通知している場合、その特約上限利率を基準に判定する。本肢においては特約上限利率は16%であるため保証料は2%まで受け取ることができる。

④(×)金銭の貸付け(金銭の貸付けを行う者が業として行うものに限る。)の保証(業として行うものに限る。)を行う者が、当該保証に係る貸付けの利息と合算して当該貸付けの金額の年二十パーセントを超える割合となる保証料の契約をしたときは、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該割合を超える割合となる保証料を受領し、又はその支払を要求した者も、同様とする(出資法5条の2第1項)。

 

 

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2020年11月16日