第十問(契約締結時書面)

【問題10】

貸金業者であるAが個人顧客であるBとの間で貸付けに係る契約を締結した場合にBに交付する貸金業法第17条第1項に規定する書面(以下、本問において「契約締結時の書面」という。)及びその記載事項のうち重要な事項を変更した場合にBに再交付する変更後の契約締結時の書面に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。なお、本問における貸付けに係る契約は、金銭の貸付けに係る契約であって、極度方式基本契約、極度方式貸付けに係る契約、手形の割引の契約及び売渡担保の契約ではないものとする。

① Aは、契約締結時の書面において、「返済期間及び返済回数」を記載する場合、「返済の方式」の記載を省略することができる。

② Aは、Bに交付した契約締結時の書面に記載した「期限の利益の喪失の定めがあるときは、その旨及びその内容」を変更した場合、当該変更がBの利益となる変更であるか否かにかかわらず、変更後の契約締結時の書面を再交付しなければならない。

③ Aは、Bに交付した契約締結時の書面に記載した「債務者が負担すべき元本及び利息以外の金銭に関する事項」を変更した場合、当該変更がBの利益となる変更であるか否かにかかわらず、変更後の契約締結時の書面を再交付しなければならない。

④ Aは、Bに交付した契約締結時の書面に記載した「各回の返済期日及び返済金額」を変更した場合、当該変更がBの利益となる変更であるか否かにかかわらず、変更後の契約締結時の書面を再交付しなければならない。

 

 

【正解】  ④

 

①(×)「返済の期間及び返済回数」、「返済の方式」ともに記載しなければならない事項である。(貸金業法17条1項)。

②(×)「期限の利益の喪失の定めがあるときは、その旨及びその内容」について、顧客に有利な変更であるときは、変更後の契約締結時書面の交付は必要ない(貸金業法施行規則13条1項1号ヌ)。

③(×)「債務者が負担すべき元本及び利息以外の金銭に関する事項」について、貸付けの利率を引き下げる場合その他の契約の相手方の利益となる変更を加える場合は変更後の契約締結時書面の交付は必要ない。

④(○)「各回の返済期日及び返済金額」を変更した場合には、変更後の契約締結時の書面を再交付する必要がある。

 

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2016年11月25日