第三十問(抵当権)

【問題30】

抵当権に関する次の①〜④の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 抵当権者は、同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権又はその順位を譲渡することができるが、その抵当権を他の債権の担保とすることはできない。

② 抵当権の被担保債権の保証人は、民法第383条(抵当権消滅請求の手続)の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができるが、抵当権の被担保債権の債務者及びその承継人は、抵当権消滅請求をすることができない。

③ 同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、抵当権設定契約の締結日の前後による。

④ 抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができる。ただし、利害関係を有する者があるときは、その承諾を得なければならない。この順位の変更は、その登記をしなければ、その効力を生じない。

 

 

【正解】   ④

 

 

①(×)抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる(民法376条1項)。

②(×)主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない(民法380条)。

③(×)同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による(民法373条)。

④(○)抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができる。ただし、利害関係を有する者があるときは、その承諾を得なければならない(民法374条1項)。この順位の変更は、その登記をしなければ、その効力を生じない(同条2項)。

 

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2016年11月25日