第二十七問(利息制限法)

【問題27】

AとBとの間の複数の営業的金銭消費貸借契約(以下、本問において、「第一契約」、「第二契約」又は「第三契約」という。)に関する次の①〜④の記述のうち、利息制限法上、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① Aは、元本を9万円及び利息を利率年2割(20%)とする第一契約を締結し9万円をBに貸し付けた。Aは、その1か月後に、第一契約に基づく債務の元本残高が5万円の時点において、元本を5万円及び利息を利率年2割(20%)とする第二契約を締結し5万円をBに貸し付けた。この場合、第二契約における利息の約定は、年1割8分(18 %)を超過する部分に限り無効となる。

② Aは、元本を50万円及び利息を利率年1割(10%)とする第一契約を締結し50万円をBに貸し付けると同時に、元本を50万円及び利息を利率年1割8分(18 %)とする第二契約を締結し50万円をBに貸し付けた。この場合、第二契約における利息の約定は、年1割5分(15%)を超過する部分に限り無効となる。

③ Aは、元本を10万円及び利息を利率年1割8分(18 %)とする第一契約を締結し10万円をBに貸し付けると同時に、元本を10万円及び利息を利率年1割8分(18%)とする第二契約を締結し10万円をBに貸し付けた。Aは、その1か月後に、第一契約及び第二契約に基づく債務の元本残高の合計が15万円の時点において、元本を85万円及び利息を利率年1割8分(18 %)とする第三契約を締結し85万円をBに貸し付けた。この場合、第一契約、第二契約及び第三契約のいずれの利息の約定も、年1割5分(15 %)を超過する部分に限り無効となる。

④ Aは、元本を50万円及び利息を利率年1割6分(16 %)とする第一契約を締結し50万円をBに貸し付けた。Aは、その1か月後に、第一契約に基づく債務の元本残高が45万円である時点において、元本を5万円及び利息を利率年1割8分(18 %)とする第二契約を締結し5万円をBに貸し付けると同時に、元本を50万円及び利息を利率年1割6分(16 %)とする第三契約を締結し50万円をBに貸し付けた。この場合、第二契約及び第三契約のいずれの利息の約定も、年1割5分(15 %)を超過する部分に限り無効となる。

 

 

【正解】  ③

 

①(○)第二契約締結時点で貸付残高が10万円となるので上限金利は18%である。よって本肢の記述は正しい。

②(○)第一契約、第二契約ともに上限金利は15%となる。よって第二契約の15%を超える部分は無効となる。

③(×)第三契約締結時点での上限金利は15%であるため、第三契約における15%を超過する部分は無効となる。第一契約および第二契約については第三契約の影響を受けないため、契約締結時点における上限金利18%が適用されるため本肢の記述は誤り。

④(○)第二契約及び第三契約締結時点における貸付残高は100万円となるため、上限金利は15%である。よって、第二契約および第三契約における15%を超過する部分が無効となる。

 

 

 第二十八問へ

2016年11月25日