第十問(取立行為規制)

【問題 10】

取立て行為の規制に関する次のa~dの記述のうち、その内容が適切なものの組み合わせを①~④の中から1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

 

a 貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、貸付の契約に基づく債権の取立てをするに当たり、相手方の請求があったときは、貸金業を営む者の商号、名称又は氏名及びその取立てを行う者の氏名その他内閣府令で定める事項を、日本工業規格Z8305に規定する8ポイント以上の大きさの文字及び数字を用いて明瞭かつ正確に記載した書面を交付又は送付する方法により、その相手方に明らかにしなければならない。

b 貸金業者向けの総合的な監督指針(以下本問において「監督指針」という。)によれば、監督当局は、取立行為に関する貸金業者の監督に当たって、内部管理部門においては、交渉経過の記録等の確認や担当者からのヒアリングの実施等に加え、必要に応じ、例えば、録音テープの確認や資金需要者等と直接面談等を行うことにより、取立て・督促の実態を把握し、検証を行うことができる態勢が整備されているかに留意する必要があるとされている。

c 監督指針によれば、貸金業法第21条(取立て行為の規則)第1項第1号に規定する「正当な事由」とは、個別の事実関係に即して判断すべきものであるが、例えば、「債務者等の自発的な承諾がある場合」は「正当な理由」に該当する可能性が高いが、「債務者等と連絡をとるための合理的な方法が他にない場合」は「正当な理由」に該当しないとされている。

d 貸金業者の従業者は、債務者宅を訪問し債権の取立てをするに当たり、相手方から、当該従業者の弁済受領権限及び取り立てる債権に係る契約の内容を明らかにするよう請求があった場合には、貸金業法第12条の4(証明書の携帯等)に規定する証明書のの提示によることで当該請求に応じたものとみなされる。

① ab

② ac

③ bd

④ cd

 

 

 

【正解】   1 

 

a(○)債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たり、相手方の請求があつたときは、貸金業を営む者の商号、名称又は氏名及びその取立てを行う者の氏名その他内閣府令で定める事項を、内閣府令で定める方法により、その相手方に明らかにしなければならない。当該事項は書面を交付しなければならず、当該書面は日本工業規格Z八三〇五に規定する八ポイント以上の大きさの文字及び数字を用いて明瞭かつ正確に記載した書面を交付又は送付しなければならない。

b(○)本文のとおり

c(×)正当な理由がないのに、社会通念に照らし不適当と認められる時間帯として内閣府令で定める時間帯に、債務者等に電話をかけ、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は債務者等の居宅を訪問することは禁止されている。ここでいう「正当な理由」は次の二つである。

 ・ 債務者等の自発的な承諾がある場合。

 ・ 債務者等と連絡をとるための合理的方法が他にない場合

d(×)貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たり、相手方の請求があつたときは、貸金業を営む者の商号、名称又は氏名及びその取立てを行う者の氏名、弁済受領権限の基礎となる事実、取り立てる債権に関する事項その他を、その相手方に明らかにしなければならない。

 

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2016年04月06日