第八問(契約締結時書面)

【問題 8】

貸金業者は、顧客との間で、貸付けに係る契約を締結し、遅滞なく、その契約の内容を明らかにする書面(以下、本問において「契約締結時の書面」という。)を当該顧客に交付した。この場合において、当該貸金業者が、貸金業法第17条に基づき、契約締結時の書面に記載した事項を変更するときに、当該顧客の利益となる変更に該当するか否かにかかわらず、変更後の内容を記載した契約締結時の書面を当該顧客に再交付しなければならないこととなる記載事項に該当するものを次の①~④の中から1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。なお、本問における貸付けに係る契約は、金銭の貸付けに係る契約であって、極度方式基本契約、極度方式貸付けに係る契約、手形の割引の契約及び売渡担保の契約ではないものとする。

 

① 賠償額の予定に関する定め

② 返済の方法及び返済を受ける場所

③ 利息の計算の方法

④ 債務者が負担すべき元本及び利息以外の金銭に関する事項

 

 

 

【正解】   2

 

①(×)「賠償額の予定に関する定め」は、顧客に有利な変更である場合、契約締結時書面の再交付は必要ない。

②(○)「返済の方法及び返済を受ける場所」の変更は、顧客の有利不利に関係なく、契約締結時書面を再交付しなければならない。

③(×)「利息の計算の方法」の変更は、顧客に有利である場合、契約締結時書面の再交付は必要ない。

④(×)「債務者が負担すべき元本及び利息以外の金銭に関する事項」の変更は、顧客に有利な変更である場合には、契約締結時書面の再交付は必要ない。

 

 契約締結時書面の記載事項のうち、重要なものを変更した際には、再度、契約締結時書面を交付しなければならない。その際の記載事項は下記のとおり。

1)貸付けの利率

2)利息の計算方法

3)債務者が負担すべき元本・利息以外の金銭

4)賠償額(違約金含む)の予定に関する定めがある場合にはその内容

5)返済の方式

6)返済の方法及び返済を受ける場所

7)各回の返済期日および返済を受ける場所

8)期日前返済の可否およびその内容

9)期限の利益の喪失の定めがあるときは、その内容

10)担保があるときはその内容

11)保証契約を締結する場合には、保証人の商号、名称、氏名、住所

 

1、2、3、4、8、9について、債務者の利益となる変更のみである場合には、契約変更時の書面の交付は不要となる。

 

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2016年04月05日