第三十六問(手形法・電子記録債権法)

【問題 36】

手形法及び電子記録債権法に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。


① Aが未完成にて振り出した約束手形の受取人であるBは、当該約束手形に、あらかじめAとBとの間でなされた合意と異なる補充をして、第三者であるCに当該約束手形を裏書譲渡した。この場合において、Cが、AB間の合意と異なる補充がなされていることを知った上で当該約束手形を取得していたとしても、Aは、合意に反して補充されたことをCに対抗することができない。

② Aは、Bの詐欺により、Bに対して約束手形を振り出した。Cは、当該事情を知らず、かつ知らないことに過失なく、Bから当該約束手形の裏書譲渡を受けた。Aは、Cから手形金の支払を請求された場合、Bの詐欺を理由とする手形行為取消しの抗弁をもって、Cに対抗することができる。

③ AとBとの間の売買契約に基づく代金の支払を電子記録債権法に基づく電子記録債権によることとする場合、その発生記録に係る電子記録の請求は、法令に別段の定めがある場合を除き、電子債権記録機関に対して、A及びBの双方がしなければならない。

④ AとBとの間の売買契約に基づく代金の支払を電子記録債権法に基づく電子記録債権とした場合、当該電子記録債権の内容の意思表示による変更は、当事者の意思表示の合致によりその効力を生じるが、変更記録をしなければこれを第三者に対抗することができない。

 

 

 

【正解】   3

 

1(×)CはAB間の合意と異なる補充がなされていたことを知っていたので、AはCに対抗することができる。

2(×)Bの詐欺を理由とするAの手形行為の取消は善意の第三者Cに対抗することができない。

3(○)電子記録の請求は、電子記録権利および電子記録義務者の双方がしなければならない(電子記録債権法5条)。

4(×)電子記録債権又はこれを目的とする質権の内容の意思表示による変更は、この法律に別段の定めがある場合を除き、変更記録をしなければ、その効力を生じない

 

 

 第三十七問へ

2016年04月07日