第十問(極度方式基本契約)

【問題 10】

 極度方式基本契約及び極度方式貸付けに係る契約に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。なお、本問における極度方式基本契約は、手形の割引の契約、売渡担保の契約及び金銭の貸借の媒介の契約ではないものとする。

 

① 貸金業者は、極度方式基本契約を締結している顧客との間で極度方式貸付けに係る契約を締結しようとする場合には、当該契約を締結するまでに、内閣府令で定めるところにより、貸金業法第16条の2第1項に規定する書面(契約締結前の書面)を当該顧客に交付しなければならない。

② 貸金業者は、顧客との間で、極度方式基本契約を締結したときは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、貸金業法第17条第2項に規定する極度方式基本契約の内容を明らかにする書面(以下、本問において「極度方式基本契約における契約締結時の書面」という。)を当該顧客に交付しなければならないが、その書面の記載事項には、当該顧客が負担すべき元本及び利息以外の金銭に関する事項が含まれる。

③ 貸金業者は、顧客との間で極度方式基本契約を締結し、当該顧客に極度方式基本契約における契約締結時の書面を交付した後、当該顧客と合意の上で、いったん極度額を引き下げた後に従前の極度額を超えない限度で再び極度額を引き上げた。この場合、貸金業者は、変更後の極度額が記載された、極度方式基本契約における契約締結時の書面を当該顧客に再交付しなければならない。

④ 貸金業者は、極度方式貸付けに係る契約を締結した顧客との間で、当該顧客の承諾を得て、内閣府令で定めるところにより、貸金業法第18条第3項に規定する一定期間における貸付け及び弁済その他の取引の状況を記載した書面(マンスリーステートメント)を交付することとしている場合において、当該顧客からその債権の一部について弁済を受けたときは、直ちに当該顧客に交付すべき書面(簡素化書面)には、受領年月日、受領金額及びその利息並びに当該弁済後の残存債務の額を記載しなければならない。

 

 

 

【正解】   2

 

1(×)貸金業者は、貸付けに係る契約(極度方式基本契約及び極度方式貸付けに係る契約を除く。)を締結しようとする場合には、当該契約を締結するまでに、当該契約の内容を説明する書面を当該契約の相手方となろうとする者に交付しなければならない(貸金業法16条の2第1項)。

2(○)貸金業者は、極度方式基本契約を締結したときは、遅滞なく、次に掲げる事項についてその極度方式基本契約の内容を明らかにする書面をその相手方に交付しなければならない。当該書面に記載した事項のうち、重要なものとして内閣府令で定めるものを変更したとき(当該相手方の利益の保護に支障を生ずることがないときとして内閣府令で定めるときを除く。)も、同様とする(貸金業法17条2項)。

 ① 貸金業者の商号、名称又は氏名及び住所

 ② 契約年月日

 ③ 極度額(貸金業者が極度方式基本契約の相手方に対し貸付けの元本の残高の上限として極度額を下回る額を提示する場合にあつては、当該下回る額及び極度額)

 ④ 貸付けの利率

 ⑤ 返済の方式

 ⑥ 賠償額の予定に関する定めがあるときは、その内容

 このほか内閣府令で定める事項として、「債務者が負担すべき元本及び利息以外の金銭に関する事項」が含まれている。 

3(×)極度額変更に際し、原則として書面の交付が必要。ただし、極度額を引き下げる場合や一旦引き下げた後、元の極度額を上回らない額まで引き上げる場合には、例外的に書面の交付は不要となる。

4(×)簡素化書面は、受領年月日、受領金額は記載事項であるが、残存債務の額は記載事項ではない。

 

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2016年04月07日