第三十三問(債権の消滅)

【問題 33】

債権の消滅に関する次の①〜④の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、第三者の権利の目的であるときを除き、消滅する。

② 債務者がその負担した給付に代えて他の給付をしたときは、債権者の承諾の有無を問わず、その給付は、弁済と同一の効力を有する。

③ 相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができる。

④ 債務者の債務を弁済するについて正当な利益を有しない者であっても、債務者のために有効な弁済をした場合には、当然に債権者に代位する。

 

 

 

【正解】   1

 

 

1(○)債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する。ただし、その債権が、第三者の権利の目的であるときは、この限りでない(民法520条)。

2(×)債務者が、債権者の承諾を得て、その負担した給付に代えて他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する(民法482条)。⇒(改正後482条)弁済をすることができる者(以下「弁済者」という。)が、債権者との間で、債務者の負担した給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をした場合において、その弁済者が当該他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する。

3(×)相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付すことができない(民法506条1項)。

4(×)債務者のために弁済をした者は、その弁済と同時に債権者の承諾を得て、債権者に代位することができる(民法499条1項)。また弁済をするについて正当な利益を有する者は、弁済によって当然に債権者に代位する(民法500)。よって正当な利益を有しない者は当然には債権者に代位しない。

⇒(民法改正後)債務者のために弁済をした者は、債権者に代位する(民法499条)。弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない。ただし、債務者の意思に反することを債権者が知らなかったときは、この限りでない(民法474条2項)。正当な利益を有する者でない第三者は、債権者の意思に反して弁済をすることができない。ただし、その第三者が債務者の委託を受けて弁済をする場合において、そのことを債権者が知っていたときは、この限りでない(民法474条3項)。

 

 

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2016年04月08日