第十五問(利息制限法)

【問題 15】

Aは法令の規定により業として貸付けを行うことができる者、BはAの顧客、C及びDは保証業者である。この場合に関する次の①〜④の記述のうち、利息制限法上、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

 

① Aは、Bとの間で、営業的金銭消費貸借契約(元本額80万円、期間1年)を締結して80万円をBに貸し付け、BがAに支払う利息を変動利率をもって定めた。Aは、当該契約について、Cとの間で、保証契約を締結し、当該保証契約においてAがBから支払を受けることができる利息の利率の上限(以下、本問において「特約上限利率」という。)を年1割6分(16 %)とする定めをし、当該定めをBに通知した。この場合、Cは、Bとの間で保証料の契約を締結し、Bから、24,000円の範囲内で保証料の支払を受けることができる。

② Aは、法人であるBとの間で締結する一定の範囲に属する不特定の営業的金銭消費貸借契約を主たる債務として、Cとの間で、元本極度額(注1)を100万円とし元本確定期日(注2)を当該契約締結日の1年後の日と定めて根保証契約を締結したが、特約上限利率の定めをしなかった。この場合、Cは、Bとの間で保証料の契約を締結し、Bから、1年当たり100,000 円の範囲内で保証料の支払を受けることができる。

③ Aは、Bとの間で、営業的金銭消費貸借契約(元本額30万円、期間1年、利率年1割3分(13 %))を締結して30万円をBに貸し付け、当該契約について、Cとの間で、保証契約を締結した。その後、Cは、Bとの間で、CがBから10,000 円の保証料の支払を受ける旨の保証料の契約を締結した。更に、Aが、Dとの間で当該営業的金銭消費貸借契約について保証契約を締結した場合、Dは、Bとの間で保証料の契約を締結し、Bから、10,000円の範囲内で保証料の支払を受けることができる。

④ Aは、Bとの間で、営業的金銭消費貸借契約(元本額50万円、期間1年、元利一括返済、利率年1割4分(14 %))を締結して50万円をBに貸し付け、当該契約について、Cとの間で、保証契約を締結した。その後、Cは、Bとの間で、CがBから15,000円の保証料の支払を受ける旨の保証料の契約を締結した。この場合において、AとBとの合意により、当該営業的金銭消費貸借契約の利息を利率年1割6分(16%)に変更したときは、当該変更後の利息の約定は、年1割5分(15 %)を超える部分に限り無効となる。

 

(注1) 元本極度額とは、保証人が履行の責任を負うべき主たる債務の元本の上限の額をいう。

(注2) 元本確定期日とは、根保証契約において主たる債務の元本の確定すべき期日(確定日に限る。)をいう。

 

 

【正解】   4

 

1(×)保証料は利息と合算して利息制限法の範囲内で受取ることができる。元本80万円の場合、利息制限法では18%が上限金利となる。本問においては貸付利率が16%であるため、保証料の上限は2%である。よって、80万円×2%=16,000円の範囲内で保証料を受け取ることができる。

2(×)特約上限利率を定めていない場合、保証料は利息制限法の上限の1/2が限度となる。よってCは100万円×15%×1/2=75,000円を上限として保証料を受け取ることができる。

3(×)貸付の元本が30万円であるため、18%が上限金利となる。よって保証料の上限は、30万円×5%=15,000円となる。Cが10,000円の保証料を既に受取っているため、Dが受領できるのは5,000円までである。

4(○)利率変更前は貸付と保証料を合算すると17%となる。よって利率を変更できるのは1%までである。利率15%を超える部分については無効となる。

 

 

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2016年04月07日