第四問(監督指針)

【問題 4】

貸金業者向けの総合的な監督指針(以下、本問において「監督指針」という。)において、監督当局が貸金業者を監督するに当たっての主な着眼点とされている事項に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 監督指針によれば、内部管理部門とは、営業部門から独立した検査部署、監査部署等をいうとされており、当該部門が営業部門から独立した実効性のある内部管理が実施できる態勢となっているか、などを着眼点としている。

② 監督指針によれば、社内規則等(注)については、貸金業者のそれぞれの規模・特性にかかわらず、法令及び法の趣旨を踏まえ策定する必要があるが、特に、業績評価や人事考課等において収益目標(ノルマ)を重視しているか、また、これらの方針等は役職員に対して周知徹底が図られ、十分に理解されるとともに、日常の業務運営において実践されているか、などを着眼点としている。

③ 監督指針によれば、他に貸金業の業務に従事する者がいない個人の貸金業者が内部監査に代わる措置を利用する場合において、外部監査を利用するときには、外部監査人に対して、監査目的を明確に指示し、監査結果を業務改善に活用するための態勢を整備しているか、などを着眼点としている。

④ 監督指針によれば、貸金業者の経営陣は、利益相反が生じる可能性のある業務に係る内部牽制や営業店長の権限に応じた監視などについて、内部管理部門ではなく内部監査部門が顧客対応を行う部署に対し、適切な業務運営を確保するためのモニタリング・検証及び改善策の策定等を行う態勢を整備しているか、などを着眼点としている。

(注) 社内規則等とは、自主規制機関である貸金業協会の定款、業務規程、その他の規則を考慮し、当該貸金業者又はその役員もしくは使用人が遵守すべき規則をいう。

 

 

 

【正解】   3

 

1(×)「内部管理部門」とは、法令及び社内規則等を遵守した業務運営を確保するための内部事務管理部署、法務部署等をいう。営業部門から独立した検査部署、監査部署等は「内部監査部門」である。

2(×)社内規則等については、貸金業者のそれぞれの規模・特性に応じて、創意・工夫を生かし、法令及び法の趣旨を踏まえ自主的に策定する必要があるが、その内容については協会の策定する自主規制規則に則った内容が求められる。また、着眼点として下記事項が示されている。

 ①コンプライアンスに係る基本的な方針、具体的な実践計画(コンプライアンス・プログラム)や行動規範(倫理規程、コンプライアンス・マニュアル)等が策定され、定期的又は必要に応じ、見直しが行われているか。

 ②特に、業績評価や人事考課等において収益目標(ノルマ)に偏重することなく、コンプライアンスを重視しているか。

3(○)内部監査に代わる措置を利用する場合に着眼点として下記事項が示されている。

 イ. 外部監査を利用する場合は、外部監査人に対して、監査目的を明確に指示し、監査結果を業務改善に活用するための態勢を整備しているか。

 ロ. 協会が協会員に対して行う監査を利用する場合には、監査結果を業務改善に活用するための態勢を整備しているか。

 ハ. 自己の行う貸金業に関する業務の検証を行う場合には、以下の点を踏まえ、業務の適切性を確保するために十分な態勢を整備しているか。

 a. 自己検証を実施するために十分な時間が確保されているか。

 b. 自己検証を実施するに際し、別添自己検証リストに基づき自社の社内規則等を参考に自己検証項目を設定しているか。

 c. 自己検証を実施する頻度が少なくとも月1回以上となっているか。

 d. 実施した自己検証を記録し、少なくとも3年間保存することとされているか。

4(×)経営陣は、利益相反が生じる可能性のある業務に係る内部牽制や営業店長の権限に応じた監視などについて、内部管理部門が顧客対応を行う部署に対し、適切な業務運営を確保するためのモニタリング・検証及び改善策の策定等を行う態勢を整備しているか。

 

 

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2016年04月17日