第十三問(利息制限法)

【問題 13】

Aは、Bとの間で貸付けに係る契約を締結しようとしている。この場合に関する次のa〜dの記述のうち、利息制限法上、その内容が適切なものの個数を①〜④の中から1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。なお、本問における各貸付けに係る契約は、それぞれ利息制限法上の営業的金銭消費貸借契約に該当するものとする。

a Aは、Bとの間で、元本を100万円とし利息を年1割5分(15 %)とする貸付けに係る契約(第一貸付契約)を締結し100万円をBに貸し付けた。その5日後、まだ、BがAに対して第一貸付契約に係る債務を一切弁済していない時点で、Aは、Bとの間で、新たに元本を5万円とし利息を年2割(20 %)とする貸付けに係る契約(第二貸付契約)を締結し5万円をBに貸し付けた。この場合、第二貸付契約における利息の約定は、年1割5分(15 %)を超過する部分に限り無効となる。

b Aは、Bとの間で、元本を60万円とし利息を年1割6分(16 %)とする貸付けに係る契約(第一貸付契約)を締結し60万円をBに貸し付けると同時に、元本を45万円とし利息を年1割4分(14 %)とする貸付けに係る契約(第二貸付契約)を締結し45万円をBに貸し付けた。この場合、第一貸付契約における利息の約定は、年1割5分(15 %)を超過する部分に限り無効となる。

c Aは、Bとの間で、元本を3万円とし利息を年2割(20 %)とする貸付けに係る契約(第一貸付契約)を締結し3万円をBに貸し付け、その20日後に、Bから第一貸付契約に係る債務のうち1万円の弁済を受けた。さらに、その5日後、Aは、Bとの間で、元本を 9万円とし利息を年2割(20 %)とする貸付けに係る契約(第二貸付契約)を締結し 9万円をBに貸し付けた。この場合、第二貸付契約における利息の約定は、年1割8分(18 %)を超過する部分に限り無効となる。

d Aは、Bとの間で、元本を30万円とし利息を年1割8分(18 %)とする貸付けに係る契約(第一貸付契約)を締結し30万円をBに貸し付けた後、まだ、BがAに対して第一貸付契約に係る債務を一切弁済していない時点で、Aは、Bとの間で、元本を5万円とし利息を年2割(20 %)とする貸付けに係る契約(第二貸付契約)を締結しBに5万円を貸し付けると同時に元本を70万円とし利息を年1割8分(18 %)とする貸付けに係る契約(第三貸付契約)を締結しBに70万円を貸し付けた。この場合、第二貸付契約における利息の約定は、年1割8分(18 %)を超過する部分に限り無効となる。

 

① 1個

② 2個

③ 3個

④ 4個

 

 

 

【正解】   3

 

a(○)同一の貸金業者から複数の契約で貸付を受けた場合、すでに貸付けを受けた残高を元本とみなして、利息の上限を計算する。100万円の残高があるとき、第二貸付として5万円の貸付を受けるときの利息の上限は15%となるため、これを超える部分は無効となる。

b(○)同時に複数の契約により貸付を受ける場合、それらを合算して利息の上限を計算することになる。60万円と45万円を同時に貸付けるときの上限は15%であるため、第一契約の15%を超える部分は無効となる。

c(○)残高2万円のときに9万円の貸付けを受けるため、第二契約における利息の上限は18%となる。

d(×)残高30万円のときに5万円と70万円を同時に貸付けるとき、合計残高は105万円となり、第二契約と第三契約における利息の上限は15%となるため、これを超える部分が無効となる。

 

 

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2016年04月17日