第三十二問(相殺)

【問題 32】

民法に規定する相殺(法定相殺)に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 一方が相手方に金銭債務を負担し他方が相手方にその所有する自動車の引渡債務を負担する場合、各債務者は、相殺によってその債務を免れることができる。

② 相殺は、当事者双方の債務の履行地が異なるときは、することができない。

③ 二人が互いに金銭債務を負担する場合において、相殺する当事者が相手方に対して有する債権の弁済期が到来しているが、当該相殺する当事者が相手方に対して負担する債務の弁済期が到来していないときは、当該相殺する当事者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができない。

④ 支払いの差止めを受けた第三債務者は、その後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができない。

 

 

【正解】   ④

 

①(×)相殺は同種の目的を有する債務について適用する(民法505条1項)。

②(×)相殺は、双方の債務の履行地が異なるときであっても、することができる。この場合において、相殺をする当事者は、相手方に対し、これによって生じた損害を賠償しなければならない(民法507条)。

③(×)相殺の相手方に対する債務の弁済期が到来していないときであっても、債権の弁済期が到来していれば相殺することができる。

④(○)支払の差止めを受けた第三債務者は、その後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができない(民法511条)。

 

 

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2016年07月26日