第三十一問(貸金等根保証契約)

【問題 31】

民法に規定する貸金等根保証契約に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 貸金等根保証契約とは、一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約であり、当該保証契約により自然人又は法人が保証人となるものであって、主たる債務の範囲に金銭の貸渡し又は手形の割引を受けることによって負担する債務が含まれるものをいう。

② 貸金等根保証契約において、元本確定期日の定めがあるが民法第465 条の3第1項の規定により当該元本確定期日の定めがその効力を生じない場合には、当該元本確定期日は、その貸金等根保証契約の締結の日から5年を経過する日となる。

③ 貸金等根保証契約において定められた元本確定期日より前の日に元本確定期日を変更する場合、当該変更は、書面又は電磁的記録でしなければ、その効力を生じない。

④ 貸金等根保証契約における債権者が、主たる債務者又は保証人の財産について、金銭の支払いを目的とする債権についての強制執行又は担保権の実行を申し立てたとき、当該貸金等根保証契約における主たる債務の元本は、確定する。ただし、当該強制執行又は担保権の実行の手続の開始があったときに限る。

 

 

 

【正解】    ④

 

①(×)貸金等根保証契約は保証人が法人である場合には該当しない(民法465条の2第1項)。

②(×)貸金等根保証契約において、元本確定期日の定めが効力を生じない場合、或いは元本確定期日の定めがない場合には、その貸金等根保証契約の締結の日から3年を経過する日が元本確定期日となる(民法465条の3第2項)。

③(×)元本確定期日より前の日に元本確定期日を変更する場合には、書面又は電磁的記録でなくとも、効力を生じる(民法465条の3第4項)。

④(○)(貸金等根保証契約の元本確定事由)

 1)債権者が、主たる債務者又は保証人の財産について、金銭の支払を目的とする債権についての強制執行又は担保権の実行を申し立てたとき。ただし、強制執行又は担保権の実行の手続の開始があったときに限る。

 2)主たる債務者又は保証人が破産手続き開始の決定を受けたとき。

 3)主たる債務者又は保証人が死亡したとき。

 

 

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2016年07月26日