第十九問(過剰貸付)

【問題 19】

過剰貸付けの禁止に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 貸金業法第13条の2第2項に規定する「当該個人顧客に係る基準額」は、当該個人顧客の年間の給与の金額、年間の年金の金額、年間の恩給の金額、年間の定期的に受領する不動産の賃貸収入(事業として行う場合を除く。)の金額及び年間の事業所得の金額(過去の事業所得の状況に照らして安定的と認められるものに限る。)を合算した額に3分の1を乗じて算出される。

② 個人顧客又は当該個人顧客の親族で当該個人顧客と生計を一にする者の緊急に必要と認められる医療費(所得税法所定のもの)を支払うために必要な資金の貸付けに係る契約(高額療養費に係る貸金業法施行規則第10 条の21 第1項第4号に掲げる契約を除く。)であって、当該個人顧客の返済能力を超えないと認められるもの(当該個人顧客が現に当該貸付けに係る契約を締結していない場合に限る。)は、貸金業法第13 条の2第2項に規定する個人顧客の利益の保護に支障を生ずることがない契約として内閣府令で定めるものに該当する。

③ 売却を予定している個人顧客の不動産(借地権を含む。)の売却代金により弁済される貸付けに係る契約であって、当該個人顧客の返済能力を超えないと認められるもの(貸付けの金額が当該貸付けに係る契約の締結時における当該不動産の価格の範囲内であるものに限り、当該不動産を売却することにより当該個人顧客の生活に支障を来すと認められる場合を除く。)は、貸金業法第13 条の2第2項に規定する個人顧客の利益の保護に支障を生ずることがない契約として内閣府令で定めるものに該当しない。

④ 自動車の購入に必要な資金の貸付けに係る契約のうち、当該自動車の所有権を貸金業者が取得し、又は当該自動車が譲渡により担保の目的となっているものに係る貸付けの残高は、貸金業法第13条の2第2項に規定する「当該個人顧客に係る個人顧客合算額」に含まれる。

 

 

【正解】   ④

 

①(○)当該個人顧客に係る基準額は定期的な収入を合算した額の3分の1である。また、定期的な収入は給与のほか下記のものがある。

 1 年間の年金の金額

 2 年間の恩給の金額

 3 年間の定期的に受領する不動産の賃貸収入(事業として行う場合を除く。)の金額

 4 年間の事業所得の金額(過去の事業所得の状況に照らして安定的と認められるものに限る。)

②(○)個人顧客又は当該個人顧客の親族で当該個人顧客と生計を一にする者の緊急に必要と認められる医療費を支払うために必要な資金の貸付けに係る契約(高額療養費に係る契約を除く。)であって、当該個人顧客の返済能力を超えないと認められるものは例外貸付に該当する。

③(○)売却を予定している個人顧客の不動産(借地権を含む。)の売却代金により弁済される貸付けに係る契約であって、当該個人顧客の返済能力を超えないと認められるものは、例外貸付(個人顧客の利益の保護に支障を生ずることがない契約)でなく除外貸付(個人過剰貸付契約から除かれる契約)に該当する。

④(×)自動車の購入に必要な資金の貸付けに係る契約のうち、当該自動車の所有権を貸金業者が取得し、又は当該自動車が譲渡により担保の目的となっているものに係る貸付けの残高は、除外貸付に該当するため、「当該個人顧客に係る個人顧客合算額」に含まれない。

 

 

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2016年07月26日