第八問(契約締結前書面)

【問題  8】

貸金業者であるAは、個人顧客であるBとの間で貸付けに係る契約(極度方式基本契約、極度方式貸付けに係る契約、手形の割引の契約、売渡担保の契約及び金銭の貸借の媒介の契約ではない。以下、本問において「本件貸付契約」という。)を締結しようとしている。この場合に関する次のa〜dの記述について、その内容が適切なものを「正」とし、適切でないものを「誤」とした場合、その正誤の組み合わせとして適切なものを①〜④の中から1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

a Aが、Bとの間で本件貸付契約を締結するまでに、「貸金業法第16 条の2第1項に規定する書面」(以下、本問において「契約締結前の書面」という。)をBに交付していた場合、Aは、Bとの間で本件貸付契約を締結したときに、「貸金業法第17 条第1項に規定する書面」(契約締結時の書面)をBに交付する必要はない。

b AがBに交付すべき契約締結前の書面には、Aの登録番号、Bが負担すべき元本及び利息以外の金銭に関する事項、契約上返済期日前の返済ができるか否か及び返済ができるときはその内容、並びに、返済の方法及び返済を受ける場所等を記載しなければならない。

c AがBに交付すべき契約締結前の書面には、貸金業法第16条の2第1項の規定により明らかにすべきものとされる事項を日本工業規格に規定する ポイント以上の大きさの文字及び数字を用いて明瞭かつ正確に記載しなければならない。

d Aは、Bとの間で本件貸付契約を締結しようとする場合において、政令で定めるところにより、Bの承諾を得たときは、契約締結前の書面により明らかにすべきものとされる事項を電磁的方法によりBに提供することができる。

 

① a-正 b-誤 c-誤 d-誤

② a-正 b-誤 c-誤 d-正

③ a-誤 b-正 c-正 d-誤

④ a-誤 b-正 c-正 d-正

 

 

【正解】   ④

 

a(×)貸金業者は、貸付けに係る契約(極度方式基本契約を除く。)を締結したときは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、その契約の内容を明らかにする書面をその相手方に交付しなければならない。当該書面に記載した事項のうち、重要なものとして内閣府令で定めるものを変更したときも、同様とする(貸金業法17条)。契約締結前書面を交付したからといって、契約締結時書面を交付しなくていいということはない。

b(○)貸金業者の登録番号、債務者等が負担すべき元本及び利息以外の金銭に関する事項、契約上返済期日前の返済ができるか否か及び返済ができるときはその内容、並びに、返済の方法及び返済を受ける場所等は契約締結時書面の記載事項である(貸金業法施行規則13条1項)。

c(〇)契約締結時書面は日本工業規格Z八三〇五に規定する八ポイント以上の大きさの文字及び数字を用いて明瞭かつ正確に記載しなければならない(貸金業法施行規則13条15項)。

d(○)貸金業者は、当該貸付けに係る契約又は保証契約の相手方の承諾を得て、契約締結時書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、貸金業者は、これらの書面の交付を行つたものとみなす(貸金業法17条7項)。

 

 

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2017年02月03日