第三十八問(損害賠償責任)

【問題 38】

債務の不履行に基づく損害賠償責任に関する次の①〜④の記述のうち、民法によれば、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 債務の不履行において、特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見し、又は予見することができたときは、債権者は、その賠償を請求することができる。

② 債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める。

③ 当事者が債務の不履行について損害賠償の額を予定した場合において、債務の不履行によって実際に生じた損害額が当事者により予定された損害賠償の額を超えるときは、裁判所は、その額を増額することができる。

④ 債権者が、債務の不履行に基づく損害賠償として、その債権の目的である物又は権利の価額の全部の支払いを受けたときは、債務者は、その物又は権利について当然に債権者に代位する。

 

 

【正解】   ③

 

①(○)特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見し、又は予見することができたときは、債権者は、その賠償を請求することができる(民法416条2項)。

②(○)債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める(民法418条)。

③(×)当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。この場合において、裁判所はその額を増減することができない(民法420条1項)。

④(○)債権者が、損害賠償として、その債権の目的である物又は権利の価額の全部の支払を受けたときは、債務者は、その物又は権利について当然に債権者に代位する(民法422条)。

 

 

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2017年02月07日