【問題 36】
Aは、妻B、子C及び子Dを遺して死亡した。Aには他に親族はいない。この場合に関する次のa〜dの記述のうち、その内容が適切なものの個数を①〜④の中から1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
a Aは、死亡する1か月前に、知人のEに1,000万円を贈与していた。この場合、B、C及びDは、一定の期間が経過するまでの間、遺留分を保全するのに必要な限度で、AのEに対する贈与の減殺を請求することができる。
b C及びDが、ともにA及びBの嫡出子である場合、Bの法定相続分は2分の1であり、C及びDの法定相続分は各々4分の1である。
c B、C及びDは、単独で、単純承認又は限定承認をすることができる。
d B、C及びDは、相続の放棄をしようとする場合、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。
① 1個
② 2個
③ 3個
④ 4個
【正解】 ③
①(○)遺留分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除して算定する(民法1029条1項)。贈与は、相続開始前の一年間にしたものに限り、その価額を算入する(民法1030条)。
②(〇)子及び配偶者が相続人であるときの相続分は、各1/2である。子が二人の場合1/2を二人で等分するためC及びDの相続分は1/4となる。
③(×)相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる(民法923条)。
④(○)相続の放棄は、家庭裁判所に申述して行う。