第三十三問(連帯保証)

【問題 33】

Aは、Bから融資を受けた。Aは、Cに対して、Aの連帯保証人となるよう委託し、Cはこれを受けてBとの間で当該融資に係る連帯保証契約を締結した。またDは、Aの委託を受けずにBとの間で当該融資に係る連帯保証契約を締結した。この場合に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① AのBに対する借入金債務の弁済期が到来したため、Cは、Aに対して、あらかじめ、求償権を行使しAはこれに応じた。この場合、Aは、Bが全部の弁済を受けない間は、Cに対して自己に担保を提供するよう請求し、またはCに対して自己に免責を得させることを請求することができる。

② CがBに対して保証債務の全部を履行した場合、CはAに対して求償することはできるが、Dに対しては求償することができない。

③ Dが死亡した場合は、Dに相続人がいるか否かを問わず、BとDとの間の連帯保証契約は民法上当然に終了し、DのBに対する連帯保証債務は消滅する。

④ AのBに対する借入金債務の弁済期が到来した後、消滅時効が完成する前に、AはBに自己の債務を承認し、当該借入金債務について時効が中断した。この場合、AのBに対する当該借入金債務に生じた時効の中断は、Cに対してはその効力を生ずるが、Dに対してはその効力を生じない。

 

 

【正解】   ①

 

①(〇)主たる債務者が保証人に対して償還をする場合において、債権者が全部の弁済を受けない間は、主たる債務者は、保証人に担保を提供させ、又は保証人に対して自己に免責を得させることを請求することができる(民法461条1項)。

②(×)数人の連帯保証人がある場合において、そのうちの一人が全額を弁済したときは、他の連帯保証人に対して求償する事ができる。

③(×)相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない(民法896条)。連帯保証債務は原則として相続されるため、死亡により当然に消滅するわけではない。

④(×)主債務者の承認による時効の中断は、連帯保証人に対してもその効力を有する。

 

 

 

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2017年02月05日