第三十問(期限)

【問題 30】

Aは、Bとの間で、元本を10万円とし利息を年1割(10 %)とする金銭消費貸借契約を締結し、Bに10万円を貸し付けようとしている。この場合に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① Aは、期間を1年間として、Bとの間で、本件金銭消費貸借契約を締結し10万円を貸し付けた。民法上、当該期間の末日が日曜日に当たる場合において、日曜日に取引をしない慣習があるときは、Bは当該期間の末日の翌日である月曜日に借入金の返済をしたとしても遅滞の責任を負わない。

② Aが、10 月15 日の午前10 時に、期間を15日間として、Bとの間で、本件金銭消費貸借契約を締結し10万円を貸し付けた場合、AとBとの間に特約がない限り、Bは10月16日から利息を支払う義務を負い、10月15日に係る1日分の利息を支払う義務を負わない。

③ Aが、9月1日の午後3時に、期間を3か月として、Bとの間で、本件金銭消費貸借契約を締結し10万円を貸し付けた場合、民法上、本件契約に基づく返済期限は同年11 月30日である。

④ Aは、期間を半年として、Bとの間で、本件金銭消費貸借契約を締結し10万円を貸し付けた。この場合、Bは、返済期日が到来するまでは、利息を含め借入金の返済をすることができない。

 

 

【正解】   ①

 

①(○)期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日その他の休日に当るときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は、その翌日に満了する(民法142条)。

②(×)民法上の規定は初日不算入(民法140条)であるが、消費貸借に関しては、借主が元本を受け取った日から利用できるため、初日から利息を支払う義務があるとの判例(昭和33年6月6日)がある。

③(×)日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない(民法140条)。また、週、月又は年の初めから機関を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する(民法143条2項)。本肢においては9月1日の午後3時の契約であるため、9月1日は起算せず、9月2日から3か月後の応当日である12月2日の前日である12月1日に期間が満了する。

④(×)期限の利益は放棄することができる(民法136条2項)。よって、返済期日の到来前であっても借入金の返済をすることができる。

 

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2017年02月05日